3月の製造業PMI、2カ月連続で景気判断の分かれ目の50を超える
(中国)
調査部中国北アジア課
2025年04月10日
中国国家統計局と物流購買連合会が3月31日に発表した2025年3月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.5となった。前月より0.3ポイント上昇し、2カ月連続で景気判断の分かれ目となる50を超えた。3月の非製造業のビジネス活動指数は前月より0.4ポイント上昇の50.8だった(添付資料図参照)。
製造業PMIを構成する指数では、生産指数が前月より0.1ポイント上昇して52.6、新規受注指数が0.7ポイント上昇して51.8となり、それぞれ2カ月連続で50を上回った。他方、雇用指数と原材料在庫指数はいずれも50を下回った。うち、雇用指数は0.4ポイント低下して48.2と、企業の雇用に対するセンチメントに落ち込みがみられた。原材料在庫指数は0.2ポイント上昇したものの47.2と、主要原材料在庫の減少傾向が続いた。このほか、サプライヤー納期指数は0.7ポイント低下して50.3と、5カ月連続で50を上回り、原材料サプライヤーによる納品時間の短縮が続いた(注1)。
企業規模別でみると、大型企業のPMIは51.2と50を上回ったものの、前月からは1.3ポイント低下した。中型企業、小型企業はそれぞれ0.7ポイント、3.3ポイント上昇したものの、49.6、49.6とともに50を下回った(注2)。
国家統計局サービス業調査中心の趙慶河高級統計師は同日、3月の製造業PMIについて、春節の影響も徐々に弱まり、企業の生産活動が加速していると指摘した。また、製造業PMI、非製造業のビジネス活動指数、総合PMI(51.4)がいずれも50を上回ったことから、中国経済は全体として景気拡大傾向を維持しているとした。
中国物流信息中心の張立群特約分析師は、購買量指数が52.1から51.8に、主要原材料仕入価格指数が50.8から49.8に、工場出荷価格指数が48.5から47.9にそれぞれ前月比で低下している点について、「供給が需要を上回る状況が依然として顕著であることを示している」と指摘した(「証券時報」3月31日)。
(注1)サプライヤー納期指数は、製造業が生産に必要な購買品の量に応じて変化する。購買品の需要が増加すると、サプライヤーの対応能力に制約がかかり、納期が長期化し、同指数が50を割り込む。
(注2)中国国家統計局では製造業などの「工業企業」について、売上額が4億元(約80億円、1元=約20円)以上かつ従業員数が1,000人以上の企業を大型企業、売上額が2,000万元以上4億元未満かつ従業員数が300人以上1,000人未満の企業を中型企業、売上額が300万元以上2,000万元未満かつ従業員数が20人以上300人未満の企業を小型企業、その他を微型企業と定義している。
(刈屋壮二郎)
(中国)
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