2月の物価上昇率は前月比2.4%と横ばいで推移
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2025年03月21日
アルゼンチンの国家統計センサス局(INDEC)は3月14日、2025年2月の消費者物価指数(CPI)上昇率が全国平均で前月比2.4%だったと発表した。前年同月比(年率)の上昇率は66.9%だった(添付資料図参照)。
2月の前月比の上昇率を項目別にみると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスはマイナス0.8%、季節変動要因のある品目を除いたコアインフレ率は2.9%、エネルギーや公共サービスなどの価格が規制されている財・サービスは2.3%だった。
前月比の上昇率を費目別にみると、平均値を上回ったのは住宅・光熱・その他燃料の3.7%、食品・飲料(酒類を除く)の3.2%、娯楽・文化の2.9%、その他の財およびサービスの2.9%だった(添付資料表1参照)。CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)の大きな伸びが、CPI全体の上昇につながったとみられる。中でも、食肉の価格が前月比で大きく上昇した。
ジェトロが独自に調査した3月18日時点の品目別の物価をみると、多くの品目で物価は安定しているが、ひき肉や牛乳の価格が上昇しており、3月も食料・飲料(酒類を除く)が物価全体を押し上げる可能性がある(添付資料表2参照)。
CPI上昇率が前月比2%台で推移し、物価抑制のペースが鈍化している中、2%台を割り込む時期に注目が集まっている。ハビエル・ミレイ大統領は3月14日、自身のX(旧Twitter)のアカウントを通じて2月のCPI上昇率と今後の見通しについて、「食肉の価格上昇の影響を除けばインフレ率は1.8%だっただろう。3月は季節的な問題がある(季節の変わり目で物価が上昇する傾向がある)が、経済の軌道が維持されれば、4月と5月には2%を下回る」と述べた。ルイス・カプート経済相は同日、Xを通じて衣類、履物、生地の輸入税を数日以内に引き下げると発表した。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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