チリのボリッチ大統領がインド訪問へ、FTA締結や投資誘致に関心
(チリ、インド)
サンティアゴ発
2025年03月27日
チリのガブリエル・ボリッチ大統領は3月30日からインドを訪問する。訪問の目的は、両国間の政治的および商業的なつながりを強化し、新たな同盟、協定、技術移転を促進すること。主要官僚や政府関係者、国会議員、企業関係者ら約50人からなる代表団も帯同する。チリは、世界第5位の経済大国インドとの結びつきの強化を図る。
ボリッチ大統領は、インドの3都市を訪問の予定だ。まず、ニューデリーでナレンドラ・モディ首相やドロウパディー・ムルム大統領など、インドの主要政府関係者らとの公式会談を予定している。その後、ムンバイに移動し、農業食品業界関係者らとの会合や、世界最大級の映画市場であるボリウッドに、チリを映画制作地としてプロモーションするためのイベントにも出席する予定だ。そして、最後にベンガルールを訪問し、イノベーションおよび技術の進展に関する交流を深める予定となっている。
チリのアルベルト・バン・クラベレン外相は3月19日のCNN CHILEのインタビューで、「インドはチリにとって現在第8位の貿易相手国だが、今後の市場規模を考えると、インドがチリの主要貿易相手国の中で順位を上げていくことは間違いない」と述べた。インドは完全な自由貿易協定(FTA)の交渉に非常に消極的であるため、チリは特恵貿易協定(PTA)を結んでいる。これに関して、バン・クラベレン外相は「インドとのFTA締結にどのくらいの時間を要するかに関しては、明らかにインド次第だが、われわれチリは非常に関心を持っている」と付け加えた。また、インド訪問の目的については、インドにおけるチリの存在感を確立することに加えて、2国間の投資を促進させ、インド資本をチリに誘致することだと強調した。
チリとインドは2007年8月にPTAが発効しており、その後、優遇措置を拡大したPTAが2017年5月に発効している。2024年チリの対インド貿易は、輸出が25億7,500万ドル、輸入が12億6,800万ドルで、インドはチリにとって第6位の輸出先、第12位の輸入元だった。
(岡戸美澪)
(チリ、インド)
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