2024年の総人口は8,566万人、失業率は8.7%
(トルコ)
イスタンブール発
2025年03月26日
トルコ統計機構(TUIK、3月20日付)によると、2024年の労働力人口は前年比83万7,000人増の3,573万3,000人(前年比2.4%増)となった。失業率は同8.7%で、政府目標の9.3%を下回り、2022年の10.4%、2023年の9.4%から改善が進んでいる。15歳以上の生産年齢人口は同50万1,000人増の6,592万6,000人(総人口の77.0%)で、前年比0.8%増と、なお若年層の厚さを物語っている(添付資料表1参照)。
居住地登録を基に作成した人口統計(2月6日発表)によると、2024年末の総人口は8,566万4,944人だった。同年は人口増加率0.3%の29万2,567人増で、2023年の前年比9万2,824人増から増加幅が増えた。2023年に25万2,027人減となった最大の経済都市イスタンブールの人口は前年比4万5,678人増の1,570万1,602人と、人口減に歯止めがかかっている(添付資料表2参照)。
2024年の人口構成をみると、中央年齢は34.4歳で、若年層がなお厚い(添付資料図参照)。一方で、65歳以上の高齢者の人口は約911万2,298人で、2019年の755万727人から5年間で20.7%増加した。出生率の低下傾向(2014年2.19%、2023年1.51%)が続く中、平均寿命が77.3歳(2021-2023年)になるなど、高齢化が緩やかに進んでいる。
また、人口比率は男性が50.0%(中央年齢:33.7歳)、女性人口が50.0%(35.2歳)と均衡しているが、労働力参加率は男性72.0%に対して、女性が36.8%とアンバランスな状況が続いている。
トルコでは近年、雇用機会を求める若年層の都市部への集中による地域格差の拡大に加え、シリアなどからの難民やロシアなどからの移住者増加といった社会問題が懸念されていたが、トルコ経済の不調や都市部での不動産価格高騰もあり、2023年から人口増加にブレーキがかかり始めている(2024年3月27日記事参照)。2024年の居住許可を有する外国籍人口はトルコ全体で前年から8万9,996人減(前年25万3,293人減)の148万547人だった。特に上位2カ国のイラク人(構成比12.0%)が前年比18.2%減、アフガニスタン人(同9.4%)が15.2%減と出国が目立ち、2022年に急増したロシア人、ウクライナ人も2桁の減少となった。シリア人(9.5%減)も減少したが、一時的保護状態にあるシリア人(いわゆる難民)はこれに含まれていない。
(中島敏博)
(トルコ)
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