2023年の総人口は8,537万人、失業率は9.4%

(トルコ)

イスタンブール発

2024年03月27日

トルコ統計機構(TUIK)(3月25日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2023年の労働力人口は前年比56万2,000人増の3,489万6,000人(前年比1.6%増)となった。失業率は同9.4%で、2021年の12.0%、22年の10.4%から改善が進んでいる。15歳以上の生産年齢人口は同74万6,000人増の6,542万5,000人(総人口の76.6%)で、前年比1.2%増と、若年層の厚さを物語っている(添付資料表1参照)。

居住地登録を基に作成した人口統計(2月6日発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2023年末の総人口は8,537万2,377人だった。同年は人口増加率0.1%の9万2,824人増で、2022年の前年比59万9,280人増から急速な鈍化を見せている。中でも国内最大の経済都市イスタンブールの人口は1,565万5,924人と、前年比25万2,227人減だった(添付資料表2参照)。

2023年の人口構成をみると、中央年齢は34歳で、若年層がなお厚い(添付資料図参照)。一方で、ユーロニュース(3月1日)によると、出生率が低下し、平均寿命が80歳台を超えるなど、高齢化が緩やかに進んでいる。人口比率は男性が50.1%(年齢中位層:33.2歳)、女性人口が49.9%(34.7歳)と均衡しているが、労働力参加率は男性71.2%に対して、女性が35.8%とアンバランスな状況が続いている。

トルコでは近年、雇用機会を求める若年層の都市部への集中による地域格差の拡大に加え、シリアなどからの難民やロシアなどからの移住者増加といった社会問題が懸念されていたが、トルコ経済の不調や都市部での不動産価格高騰もあり、人口増加にブレーキがかかり始めている。イスタンブールの人口減はその一例だろう。また、2023年の居住許可を有する外国籍人口は、トルコ全体で前年から25万3,293人減となり、157万543人だった。うちイラク人が全体の13.8%、アフガニスタン人が10.5%を占めた。減少幅が大きかったのが2022年に急増したロシア人(32.1%減)だった。また、シリア人(19.5%減)も減少したが、一時的保護状態にあるシリア人(いわゆる難民)は含まれていない。

(中島敏博)

(トルコ)

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