新市場開拓に向け、スコットランドで現地食材に合う日本産食品をジェトロ提案
(英国、日本)
ロンドン発
2025年03月07日
ジェトロは日本産食品の販路拡大を目的としたサンプルショールーム事業の一環として、2月下旬に英国スコットランドで、日本産食品のPRを行った。スコットランドの主要都市エディンバラやグラスゴーまでは、ロンドンから直線距離で約550キロメートル(東京から青森までの距離に相当)あり、ロンドンに比べて、流通している日本産食品の種類が少なく、抹茶やユズなどの日本食材に対する認知度も低い。
2月24日にはエディンバラ市内の料理学校で、レストランやホテル関係者など10社20人を招待して、日本料理の普及に取り組むSozai Cooking Schoolの横山明美氏による調理実演を行った。スコットランドの食材に合う日本産食品の提案として、いぶりがっことスコティッシュサーモンのおにぎり、ポン酢とさんしょうのドレッシングを添えたスコットランド産牛肉のたたき、抹茶クリームを添えたコーヒーゼリーを提供した。
エディンバラのイベントで特に注目を集めたのは抹茶だった。参加者からは「コーヒーゼリーと抹茶の組み合わせがとても良く、それぞれの風味がさらに引き立った」という評価が寄せられたほか、会場内の展示ブースでも、多くの参加者が抹茶関連商品に関心を示し、原材料や価格について質問していた。
2月26、27日には、グラスゴーで開催されたホスピタリティー業界や小売り向けの食品、飲料などに関する展示会「ScotHot」に出展し、日本酒やウイスキー、しょうゆやみそなどの調味料、抹茶や紅茶といった日本の茶類を含む70種類以上の日本産食品を展示した。来場した非日系のレストランシェフは「日本産食品には以前から興味があったが、実際に手に取る機会がなかった。ロンドンでは多くの店舗で日本産食品を見かけるが、スコットランドではまだ流通が限られている。このようなイベントが増えれば、需要がさらに拡大するのではないか」と話した。そのほかにも、じゃばら果汁や、ゆずこしょうを中心に、スコットランド全土から集まった参加者から商談の希望が上がった。
日本産食品の需要について、エディンバラの中華系スーパーマーケットで店員に尋ねたところ、新型コロナウイルス禍を契機に、自宅で料理する人が増えたことで、高所得者を中心に日本産食品を利用する人が増えているとのことだった。今回のような取り組みを進めることで、今後もさらなる需要の拡大が期待される。
横山明美氏のデモンストレーションに聞き入るレストラン関係者(ジェトロ撮影)
Scot Hotでサンプル商品を手に取る来場者(ジェトロ撮影)
(佐藤宏樹)
(英国、日本)
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