山東省、京津冀地域と長江デルタ地域との提携強化

(中国)

青島発

2025年03月03日

中国山東省の人民政府は2月11日、「山東省エリア協調発展戦略の実施で、京津冀地域(北京市・天津市・河北省)と長江デルタ地域との連携強化のための行動計画(2025~2027年)」を発表した。

同行動計画は、山東省エリアと京津冀地域、長江デルタ地域との連携を強化するために、21条の措置を講じるもので、特に新質生産力(注1)の育成、交通インフラ整備の強化、グリーン転換の進展の3つの分野を強化するとした。

新質生産力の育成について、山東省で中国科学院済南科学技術イノベーションセンターや、合肥国家実験室済南基地、北京大学万華化学研究センターを設立することで、山東半島と上海張江ハイテク産業開発区、北京中関村(注2)との交流を促進する。また、山東省済南市、青島市、煙台市などの都市で未来産業の先導エリアの建設を推進し、長江デルタ地域と新たな製品の開発や応用等の共同発表を検討する。

交通インフラ整備の強化については、京雄商(北京市豊台区~河北省雄安新区~河南省商丘市)高速鉄道、京滬(北京市~上海市)高速鉄鉄道の建設を促進し、京津冀地域と長江デルタ地域をつなぐ高速道路、または鉄道の建設を推進する。同区間では山東省エリアも通過することを検討する。また、重点都市間の運行ルート拡大のため、済南・青島空港の国際航空輸送ネットワークの拡大を図る。ほかにも、山東省エリアは京滬国家物流ハブとの協力関係を強化し、海上複合一貫輸送サービス、陸路・海路の物流ネットワークを改善する。

グリーン転換の進展では、山東省エリアは、京津冀地域と長江デルタ地域の企業が山東省の洋上風力発電や、膠東半島の原子力発電、魯北の風力発電所の貯蔵と送電システムの統合など、大型グリーンエネルギー基地の開発を推進することをサポートする。また、済南市、青島市、淄博市(しはくし)などでの生態環境保護産業クラスターの建設を支援する。

(注1)従来の経済成長モデルを脱却して、イノベーションを推進し、高度技術、高効率、高品質の3つの特徴を備えた先進的な生産力の形態を指す。

(注2)北京市を中心とした中国を代表するイノベーション特区のことを指し、中国の国策として、政府主導の下で推進されている。

(朱秀霞)

(中国)

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