湖北省で輸入博の地方イベント開催、外国企業も中国でのビジネス継続アピール
(中国)
武漢発
2025年03月26日
中国湖北省で3月17~19日に「中国国際輸入博覧会(CIIE、上海輸入博)」の地方イベントが開催された。「外資導入をより一層進め、双循環(注)を加速する」をテーマとして、商務部の唐文弘部長助理、湖北省の王忠林書記、李殿勲省長、上海輸入博に出展する外国企業などが参加した。
上海輸入博事務局によると、今回のような地方イベントは2021年に始まり、これまで7つの省と市で行われた。今回は8回目で、2025年に入って初の地方イベントとなった。
3月18日午前に「双循環を加速する」というテーマに沿ったPRイベントが開催され、商務部、湖北省、武漢市、外国企業からの発表があった。外国企業の発表のポイントは次のとおり。
〇商用航空機などを扱う米国GEエアロスペースの向偉明グローバル副総裁兼大中華地区総裁:「上海輸入博には7年連続で参加している。次世代航空エンジンも展示し、中国東方航空と22億元(約462億円、1元=約21円)の契約も結んだ。米国企業として多くのチャレンジを行っており、中国には投資先として安定的な環境がある。中国に進出して45年経つが、中国の改革開放は絶えず続いていると思う。当社は中国初となる国産中型旅客機C919のエンジン部品を供給しており、今後とも中国でのサービスを強化し、部品提供を続けていく所存だ」
〇フランスの化粧品大手ロレアルの蘭珍珍北東アジア中国公共事務総裁:「中国には28年前に進出して以来、安定的な成長を遂げている。湖北省には中国で最大の生産能力を持つ工場(宜昌市の天美工場)があり、化粧品を製造している。上海輸入博には第1回から7回まで連続で出展している。上海輸入博はフランスの展示会「VIVA TECH」とも肩を並べる規模感にあり、上海輸入博を通じて中国のスタートアップ企業とも提携を行った」
〇米国ファイザー製薬の闕非中国副総裁:「1989年から中国に進出し、中国内30都市以上に拠点がある。工場は1カ所、R&D拠点は3カ所あり、R&D拠点の1つが武漢にある。2010年10月に設立され、今年で15年になるが、ハイレベル人材は400人以上確保している。上海輸入博には6年連続で参加しており、今年は7回目の出展となる。2030年までの戦略を発表し、中国でのビジネスをより深化させる」
外国企業の発表の後には、地元政府や湖北省の企業と外国企業とのプロジェクトに関する12件の調印も行われた。
(左)イベント会場、(右)調印の様子(ともにジェトロ撮影)
(注)双循環とは、習近平国家主席が提唱する「国内大循環を主体とし、国内と国際の2つの循環が相互に促進する新たな発展局面」を指す。
(高橋大輔)
(中国)
ビジネス短信 3af9c9a5c490938d