トランプ米大統領就任後、経済状況悪化をほぼ半数が実感、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年03月13日
米国のトランプ政権発足後、米国内では政策による経済的不確実性増大の懸念や、スタグフレーションの恐れも広がる(2025年3月10日、2025年3月12日記事参照)など、経済的な危機に向かっているようにみられる。最近の世論調査では、国民のほぼ半数が経済状況の悪化を実感するという結果だった。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは3月13日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、経済状況の見通しについて聞いたところ、「悪化する」が48%と半数近く、「好転する」は19%、「変わらない」は26%だった。支持政党別では、民主党支持者の79%が「悪化する」と回答した。無党派層で、「悪化する」が52%と過半で、「変わらない」が25%。共和党支持者は、「好転する」が40%、「変わらない」が40%と意見が分かれた。
今後6カ月のインフレ率の動向については、半数近く(47%)が「高くなる」と予測し、6カ月前の2024年9月(20%)から27ポイント増加した。「低くなる」は24%で、ドナルド・トランプ大統領就任直前の2024年12月(33%)から悪化した。
トランプ氏の支持率は「支持」「不支持」が同率の47%となり、「支持」が「不支持」を10ポイント上回っていたバイデン前政権初期と比較して、状況は良くないとみられる。
CNNが3月に実施した世論調査(注2)によれば、重要事項へのトランプ氏の対応については、「移民」のみ支持するが51%と過半だったが、その他の事項については支持しないが過半となり、「関税」(61%)、「外交」(58%)、「ヘルスケア政策」(56%)、「経済」(56%)、「大統領としての職務」(54%)、「連邦予算」(52%)、「連邦政府運営」(51%)との結果だった。
また、政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏の好感度は35%と低く、53%が反感を持つという結果になった。同氏には連邦政府の変革のための「適切な経験がない」と62%、「適切な判断力がない」と61%が回答した。
(注1)実施時期は2025年3月9~11日。対象者は全米の成人1,699人。
(注2)実施時期は2025年3月6~9日。対象者は全米の成人1,206人。
(松岡智恵子)
(米国)
ビジネス短信 337c46a736bbd81f