大連市で大手民間保険会社が高齢者施設を建設

(中国)

大連発

2025年03月21日

中国の大手民間保険会社、泰康保険集団傘下の「泰康之家」は3月17日、大連市内で介護コミュニティの建設を開始した。同プロジェクトは同市中山区虎灘湾東岸に立地し、投資総額は35億元(約735億円、1元=約21円)にのぼる。

現在建設が進む1期目の敷地面積は約5万3,333平方メートルに及び、総投資額は12億元。約1,050の居住ユニットを備え、8,000平方メートルのフィットネス施設や、リハビリ施設、介護施設、医療機関を完備するという。また、自立生活、介護付き生活、専門介護、認知症介護など幅広いサービスを備え、高齢者の健康状態に応じてさまざまな介護サービスを提供する。2028年初に開業する予定で、サービスにより、市内の高齢者の生活の質向上に貢献する。モデルハウスは2025年5月ごろ公開される見込みだ。

「泰康之家」は京津冀地域(北京市、天津市、河北省)や長江デルタ、グレーターベイエリア(広東省、香港、マカオ地域)、華中、西南、東北などの36都市で延べ43件のプロジェクトを展開しており、そのうち22都市で24のコミュニティが運営を開始している。入居者は約1万6,000人に上る。

大連市政府の2024年11月13日の発表によると、2023年末までに同市の60歳以上の人口は30.0%の182万6,900人で、中国全体(22.0%)と比較しても割合が高い。こうした中、中国共産党大連市委員会金融委員会弁公室は8月16日、「養老金融の質の高い発展の3年行動プラン」を公布し、介護業界における金融業の役割を発揮させることを目標に、介護産業に関連する施設への財政的なサポートや、介護業界に関連する融資の多角化、保険金の運用強化などが提唱された。そのほか、金融機関による養老コミュニティ建設プロジェクトへの参画促進も明記されており、その中で泰康保険集団の同プロジェクトの推進が明記され、ハイエンドな介護コミュニティのサービスを提供する模範的なプロジェクトと位置付けている。

(李穎)

(中国)

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