半導体研究機関imec、半導体製造装置大手ASMLと戦略的パートナーシップ締結

(ベルギー、オランダ)

ブリュッセル発

2025年03月19日

ベルギーのナノエレクトロニクスとデジタル技術分野の世界的な研究機関imec(アイメック、本部:ルーバン)は3月11日、オランダの半導体製造装置大手ASMLと戦略的パートナーシップを締結したと発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

5年契約で、半導体産業を発展させる技術と持続可能なイノベーションに焦点を当てた開発を目指す。具体的には、ASMLの強みである極端紫外線(EUV)露光装置や計測・検査システムなどを、imecの最先端試作ライン(2024年5月27日記事参照)に設置し、回路線幅が2ナノメートル以下の最先端半導体の研究開発のためのインフラを提供する。重点分野には、シリコンフォトニクスやメモリー、先進パッケージングも含まれ、多様な市場が見込まれる人工知能(AI)アプリケーション向けのイノベーションの提供を目指す。

今回の取り組みは次世代半導体の試作ライン整備(2024年10月29日付地域・分析レポート参照)の一環で、「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」としてEUの半導体共同事業体(Chips JU)とフランダース政府、オランダ政府も資金提供する。なお、最先端半導体の量産に対応したASML製のEUV露光装置は、日本ではラピダスに初めて導入(2025年2月19日付地域・分析レポート参照)されている。

imecとASMLは今回のパートナーシップに先駆け、2024年6月にはオランダ南部のフェルドホーフェンに共同で最先端の「高性能EUV露光装置(High NA EUV Lithography)研究所」を開所し、2025~2026年の量産開始に向け提携している。

(大中登紀子)

(ベルギー、オランダ)

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