タイ中銀、政策金利を2.00%に引き下げ

(タイ)

バンコク発

2025年03月03日

タイ中央銀行(BOT)は2月26日、金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を0.25ポイント引き下げ、2.00%とすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

政策金利の引き下げについて、MPCでは6対1で可決した。ロイターによる事前アンケート調査では、エコノミスト26人のうち10人が引き下げを予想し、過半数の16人が政策金利の維持を予想していた。

今会合では、6人が、経済に対する下振れリスクの増大により適切に対処するため政策金利を0.25ポイント引き下げることに賛成した。他方、1人は、先行きの不確実性の高まりに対応するべく、今後に金融政策の余地を残すことが重要として政策金利の維持に賛成を投じた。

プレスリリースによると、2024年のタイ経済は、内需、観光、商品輸出が拡大したものの、企業の大規模な在庫調整により、予想よりも成長が鈍化した。先行きについては、テクノロジー製品や農産加工品を中心に財輸出の増加が見込まれる一方、自動車、石油化学、建材業界を中心に輸入品との競争が激化していることから、経済成長は予想よりも鈍化すると見込まれる。同委員会は、中小企業を中心に製造業で厳しい競争環境が継続すること、また、主要経済国の貿易政策がタイ経済に影響を与える可能性もあるため、生産状況を注視する必要があるとしている。

(藤田豊)

(タイ)

ビジネス短信 24523c4e6cb49078