2024年のGDP成長率は3.4%、工業とサービス業が下支え

(ブラジル)

サンパウロ発

2025年03月14日

ブラジル地理統計院(IBGE)は3月7日、2024年通年の実質GDP成長率が3.4%だったと発表した(添付資料表参照)。これは、2021年に4.8%を記録して以来の高い成長率だ。産業別にみると、農畜産業が3.2%減だった一方で、工業が3.3%増、サービス業が3.7%増となり、工業とサービス業が成長を下支えしたかたちだ。

IBGEの3月7日付のプレスリリースによると、農業は干ばつや火災の影響で主要な農産品の生産量が振るわず、トウモロコシ(12.5%減)や大豆(4.6%減)などの生産が前年比で大きく減少した。一方、工業とサービス業が成長した要因としては、サービス業は「その他サービス」(5.3%増)や「商業」(3.8%増)の、工業は「建設」(4.3%増)や「製造業」(3.8%増)の伸びが挙げられる。

好調な建設業について、ブラジル建設工業会議所(CBIC)のエコノミストを務めるイエダ・バスコンセロス氏はCBIC公式サイト(3月7日付)で、「国内経済の活性化や労働市場の改善などが影響を与えている。また、(統一地方)選挙も行われ、こうした時期に工事が多い。さらに、低所得者向け住宅供給政策の復活も押し上げ要因となった」と成長率の増加を説明している。

需要要素別では、全ての項目で増加がみられた。GDPの約6割を占める個人消費支出が前年比4.8%増加した。IBGEのレベッカ・パリス国民経済計算コーディネーターによると、「雇用改善、給与水準の上昇、前年平均比での政策金利低下、政府による低所得者向け現金給付、個人向け融資額の拡大などが個人消費支出の押し上げ要因となった」とのことだ。

なお、2024年第4四半期の実質GDP成長率は、前年同期比3.6%だったが、前期比(季節調整済み)では0.2%と横ばいで推移した。2024年第4四半期の前年同期比での実質GDP成長率を産業別にみると、農畜産業が1.5%減、工業が2.5%増、サービス業が3.4%増だった。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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