米アリゾナ州で視察プログラム開催、クリーンテックやAI・自動運転など多様なビジネス環境の理解深める
(米国、日本)
ロサンゼルス発
2025年03月14日
米国アリゾナ州のビジネス環境の調査を目的とした、日系企業による視察プログラムが2月20~21日に開催された。同プログラムは在ロサンゼルス日本総領事館が主催し、アリゾナ商業公社、アリゾナ州の投資誘致機関のフェニックス都市圏経済協議会、ジェトロが共催。同プログラムには日系企業25社34人が参加した。成長著しいアリゾナ州を牽引しているのは主に半導体産業で(2024年5月13日付地域・分析レポート参照)、これまでも半導体分野に焦点を当てたビジネスミッション派遣などを行ってきた(2024年11月21日記事参照)。しかし、近年、同州はクリーンテックや人工知能(AI)、自動運転、バッテリー、ライフサイエンスなどの分野にも注力しており、今回のプログラムでは半導体以外の分野に焦点が当てられた。
初日は、州都フェニックス市およびその近郊で、現地政府や大学、企業によるセミナーとパネルディスカッションが行われた。現地に進出している日系企業からは、同州の豊富な人材、高いクオリティ・オブ・ライフ、大都市と比べて低い生活コスト、現地校・日本語補習校など教育環境の充実など、同州でビジネス・駐在員派遣を行うメリットが強調された。また、同州で初めて自動運転タクシーのサービスを開始したウェイモや、電気自動車(EV)用のバッテリー製造を手掛けるLG・エナジー・ソリューションズ・アリゾナが同州での事業内容や事業を開始した背景などを説明した。
アリゾナ大学でのパネルディスカッション時の様子(ジェトロ撮影)
2日目は、アリゾナ州第2の都市ツーソン市を訪問し、大学と企業によるセミナー・パネルディスカッションが行われるとともに、がん検査などを行っているロシュ・ティッシュ・ダイアグノスティクスを訪問した。同社は毎年1,400万人以上に対して最新機器を使用した検査を行っており、同社従業員は「日本の製品の質は高いイメージがあり、実際に当社でも日本製の機器を扱っている。今後も何らかのかたちで提携したい」と述べた。
ツーソン市訪問時の集合写真(ジェトロ撮影)
日本企業参加者からは、「多様な分野の話を聞くことで、半導体だけではないアリゾナのポテンシャルを知ることができた」「1企業の担当者だけではこういった施設見学などはできない。実際に視察することによって現地でビジネスをするイメージも湧きやすい」といった声が聞かれた。
(堀永卓弘)
(米国、日本)
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