シリア、トルコとの貿易関係強化に向け基礎製品269品目の関税を引き下げ

(トルコ、シリア)

イスタンブール発

2025年02月04日

トルコのオメル・ボラト貿易相は1月27日、シリア暫定政権との関税見直し交渉で、牛乳、卵、小麦粉、鉄鋼、プラスチック製品など食品、衛生、建設などにかかわる基礎製品269品目のシリア側の輸入関税が引き下げられることになったと発表した(1月27日付国営アナドル通信)。

これは、シリア側が1月11日に6,302品目の輸入関税を300~500%に引き上げたと伝えられ、トルコからシリアへの輸出が混乱したことを受けたものだ。トルコとシリアの国境検問所付近では数キロメートルに及ぶトラックの渋滞が発生していた。

ボラト貿易相は、シリア側による関税引き上げはトルコだけを対象としたものではなく、すべての国境、税関での輸入に適用されたもので、暫定政権の公共支出に充てるための財源確保が目的だったとした。同相はまた、急激な関税引き上げはインフレを悪化させるとの警告をシリア側が理解した、と述べた。

同相は、1月23日にダマスカスを訪問したトルコ側貿易代表団とシリア当局との会談で、2011年に停止されている両国間の自由貿易協定(FTA)の再開および農産物、工業製品、トランジット貿易、2国間の輸送、建設を対象とする経済・貿易分野での協力で合意したことを明らかにした。

(中島敏博)

(トルコ、シリア)

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