バクー近郊のジラ港に鉄道を敷設、カスピ海経由の輸送拡大に期待
(アゼルバイジャン)
調査部欧州課
2025年02月13日
アゼルバイジャン鉄道は1月30日、バクー近郊のドゥベンディ~ジラ~グルガン~ジラ港を結ぶ計21キロの鉄道の改修工事が完了したと発表した。このうちグルガンとジラ港の間の9キロ部分の鉄道が新たに敷設された。ジラ港はカスピ海に面する。同港が鉄道につながることで、同社はアゼルバイジャンとカスピ海を通じた東西のトランジット輸送の拡大を期待している。
ジラ港ウェブサイトによると、同港はコンテナ貨物、一般貨物、バルク貨物用にそれぞれターミナルを有する。
改修工事の完了後、ジラ港から欧州向けに、中央アジア産の硫黄1万3,000トンを積んだ列車が初めて出発した。アゼルバイジャン鉄道は今後、同港を通じて1カ月当たり6万トンの貨物を鉄道で輸送する計画で、尿素の輸送も検討されている。同港管理会社の資料によると、これまでも同港を通じて、トルクメニスタン産尿素が欧州向けに輸送されている。
アゼルバイジャン鉄道によると、2024年の同社の取扱貨物量は約1,850万トンで、うちトランジット貨物量が前年比5.7%増の730万トンだった。欧州と中国を結ぶ中央輸送路(カスピ海横断国際輸送路)を通じた同年の中国からの貨物量は2万7,000TEU(20フィートコンテナ換算)を超え、前年の25倍に相当するという。11月には、アゼルバイジャンから中国に輸出する初の貨物列車がバクーから西安に向けて出発した。
(浅元薫哉)
(アゼルバイジャン)
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