1月の貿易赤字は230億ドルに拡大、石油製品の輸出が減少
(インド)
ムンバイ発
2025年02月25日
インド商工省(MoCI)が2月17日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、1月の貿易収支は230億ドルの赤字(添付資料図参照)だった。貿易赤字は2020年6月以降続いており、石油製品の輸出減少などにより、前月の速報値(219億ドル)から拡大した。輸出額(サービスを除く)は364億2,571万ドルで前年同月比2.4%減少、輸入額は594億2,315万ドルで同10.3%増加した。
輸出額の内訳をみると、金額の大きいエンジニアリング製品94億1,806万ドル(前年同月比7.4%増)、電子製品41億546万ドル(79.0%増)、宝石類29億9,828万ドル(16.0%増)、医薬品25億9,063万ドル(21.5%増)などが増加した。一方で、石油製品35億6,176万ドル(58.7%減)、有機・無機化学製品23億5,178万ドル(2.0%減)などは減少した。
輸入に関しては、電子製品93億5,733万ドル(前年同月比17.8%増)、電気・一般機械47億3,401万ドル(27.8%増)、金が26億8,659万ドル(40.8%増)、輸送機器26億7,540万ドル(1.6%増)などが増加した。一方で、輸入額全体の約4分の1弱を占める石油製品・原油が134億3,150万ドルで13.5%減少したほか、石炭・コークスなど26億9,260万ドル(15.2%減)などは減少となった。
現地報道では、「インドの貿易赤字は、石油と非石油の赤字拡大により、2カ月ぶりに拡大した。一方で、2024年度(2024年4月~2025年3月)第3四半期の月平均(公表データは290億ドル)を大幅に下回っていることは、若干の安心材料となっている」とのエコノミストの声を紹介している(「ビジネス・スタンダード」紙2025年2月17日)。
なお、2月13日に米国ワシントンで実施された米印首脳会談において、米国のドナルド・トランプ大統領とインドのナレンドラ・モディ首相は、2030年までに両国間の貿易総額を現在の2倍以上に拡大する方針を示しており、今後、両国を取り巻く貿易構造が変化する可能性がある(2025年2月17日記事参照)。
(篠田正大)
(インド)
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