日本・ザンビアビジネスフォーラム開催、投資協定の署名も発表

(ザンビア、日本)

調査部中東アフリカ課

2025年02月10日

ジェトロは2月6日、ザンビアのハカインデ・ヒチレマ大統領の初来日に合わせて、日本・ザンビアビジネスフォーラムを主催した。フォーラムはザンビア開発庁(ZDA)との共催で、同大統領のほか、チポカ・ムレンガ商業・貿易・産業相およびトバイアス・ムリンビカ駐日ザンビア大使も登壇した。ザンビアからは鉱業や電力、物流など25社約60人が参加し、日本からは商社や建設業、機械メーカーなどから100人以上が参加した。

ジェトロの石黒憲彦理事長は開会あいさつで、「フォーラムを皮切りに、大阪・関西万博のザンビア・ナショナルデーや、横浜で8月に開催されるアフリカ開発会議(TICAD)などの機会を捉え、両国のビジネスの発展につなげたい」と述べた。

日本の英利アルフィヤ外務大臣政務官は来賓あいさつで、日本とザンビアが投資協定に署名したことを発表した。ヒチレマ大統領は、2024年に両国の外交関係樹立が60周年を迎えたとし、日本企業にビジネスの機会を提供して双方の成長とメリットを担保したいと述べた。また、第8次国家計画に基づき、2032年までに銅の生産量を300万トンに増やすとし、コバルトやニッケル、マンガンなどザンビアが誇るさまざまな鉱物資源を事業計画に結び付けてほしいと述べた。

ザンビアのビジネス環境について、アルバート・ハルワンパザンビア開発庁総裁は、ロビト回廊やナカラ回廊など(注)を通じて、南部アフリカ開発共同体(SADC)や東南部アフリカ共同体(COMESA)といった市場へアクセスできるとアピールした。また、IMFの統計で2025年にアフリカで最も経済成長する上位10カ国に入るなど、引き続き高い経済成長が見込めるとした。

また、ザンビアで建設・マイニング機械の新車および部品販売などを手掛け、2024年には工場を2万平方メートルから4万平方メートルに拡張した日立建機ザンビアと、ザンビアの綿花農家と日本の消費者をつなげるトレーサビリティプラットフォームを日本のアパレルブランドに提供する三井物産が事業紹介を行った。登壇企業からは、参加企業に向けて「アフリカのことをよく理解することがポイントだ」とアドバイスがあった。

フォーラム閉会後、参加した日本企業は積極的にザンビア企業との商談やネットワーキングに取り組んでいた。

写真 基調講演するハカインデ・ヒチレマ大統領(ジェトロ撮影)

基調講演するハカインデ・ヒチレマ大統領(ジェトロ撮影)

写真 ネットワーキングセッションの様子(ジェトロ撮影)

ネットワーキングセッションの様子(ジェトロ撮影)

写真 登壇者らと、大阪・関西万博公式キャラクターのミャクミャク(ジェトロ撮影)

登壇者らと、大阪・関西万博公式キャラクターのミャクミャク(ジェトロ撮影)

(注)ロビト回廊は、ザンビアからコンゴ民主共和国を通り、大西洋に面したアンゴラへつながる回廊。ナカラ回廊は、ザンビアからマラウイを経由してインド洋に面したモザンビークにつながっている。ザンビアは内陸国だが、その他、タンザニアのダルエスサラームや南アフリカ共和国のダーバンなどと陸路で接続している。

(坂根咲花)

(ザンビア、日本)

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