G20外相会合開催、岩屋外相が出席
(南アフリカ共和国、日本)
ヨハネスブルク発
2025年02月26日
岩屋毅外相は2月20~21日、南アフリカ共和国のヨハネスブルクで行われたG20外相会合に出席した。岩屋外相は、外相会合で紛争などが続く国際情勢や地域情勢について見解を述べるとともに、日本が果たすべき役割などについても言及した。このほか、議長国である南アのロナルド・ラモラ国際関係・協力相と日・南ア外相会談を行ったほか、同会合に出席していたアンゴラ、アルジェリア、トルコなどの外相とも会談した。
岩屋外相は紛争が続くウクライナ、ガザ情勢に加え、スーダンやコンゴ民主共和国東部情勢にも触れ、停戦や持続的な和平のための交渉などを促すべく、G20をはじめ国際社会が一致して行動する必要があることを訴えた。各地で続く人道上の懸念を憂慮し、事態の改善に向けても国際社会全体で支援に取り組むべきこと、日本も中長期的な復旧・復興支援に取り組んでいく姿勢を強調した。
さらに、法の支配に基づく国際秩序を回復し、国際社会の平和と安定を確保することが必要であり、東シナ海・南シナ海を含め、世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みは決して認められないとする日本政府の立場を説明した。
その上で、国際社会は、気候変動、食料安全保障といったさまざまな地球規模の課題に直面しており、G20は分断と対立ではなく、共通点と一致点を見いだし、全てのメンバーが責任を共有したかたちで、課題解決を主導していく必要があることを訴えた。
岩屋外相は今回の南ア訪問にあわせ、2月20日付の当地経済紙ビジネス・デイに「日・南ア:パートナーシップを通じたグローバル開発の推進」と題して寄稿した。日本と南アは、自由、民主主義、人権、法の支配といった、基本的価値や原則を共有する重要なパートナーであり、私たちが直面する国際社会の諸課題は一国だけでは解決できず、知識と技術を共有し、新しい解決策を共に生み出す必要があり、日・南ア協力がこれまで以上に重要だとの認識を示した上で、南ア政府が今回のG20で優先課題とした防災、債務持続可能性、エネルギー移行、重要鉱物は、日本としても重視しているとした。8月に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)とG20が連携し、相乗効果を発揮できるよう日本も積極的に議論に貢献していくと述べた。
(的場真太郎)
(南アフリカ共和国、日本)
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