インドネシア国際モーターショー(IIMS)開催、新型EVの発表相次ぐ
(インドネシア)
ジャカルタ発
2025年02月27日
自動車展示販売会「インドネシア国際モーターショー(IIMS)2025」が2月13日から25日までジャカルタで開催され、四輪車31ブランドと二輪車25ブランドが最新車種や新技術を発表した。日系メーカーでは、ホンダがインドネシア初となる小型電気自動車(EV)「e:N1」を発売したほか、トヨタ自動車が「カムリHV」と「カローラクロスHV」のハイブリッド車(HV)2車種を発売、スズキが小型EVコンセプトモデル「eWX」を発表した。
ホンダが発表した「e:N1」(ジェトロ撮影)
バッテリー式電気自動車(BEV)では、中国メーカーによる新車種の発売が相次ぎ、存在感を示した。EV大手メーカーの比亜迪(BYD)がスポーツ用多目的車(SUV)「シーライオン7」を発売したほか、上汽通用五菱汽車(SGMW)が小型EV「Air EV」の新モデルの発売を開始した。また、BYDの高級EVブランド「Denza」も初出展し、多目的車(MPV)「D9」を発売するとともに、3基の独立モーターによる全方向移動が可能なSUV「Z9GT」を公開して先進技術をアピールした(「CNNインドネシア」2月14日)。奇瑞汽車傘下の新ブランド「Jetour」はEVモデルのSUV「X50e」を初発表し、インドネシア市場への本格参入を表明した(「コンパス」2月19日)。同じく奇瑞汽車傘下のブランド「Jaecoo」も、小型SUV「J5」のEVモデルを世界初公開した(「コンパス」2月20日)。
BYDが発表した「シーライオン7」(ジェトロ撮影)
「Jaecoo」が発表した「J5」(ジェトロ撮影)
ベトナムのビンファストも、小型EV「VF3」を展示した。同社は、初めての購入者向けに約785万ルピア(約7万4,575円、1ルピア=約0.0095円)のキャッシュバックや自社充電ステーションでの無料充電サービスの提供などを打ち出した(「ブリタ・サトゥ」2月22日)。
中国を中心とした新規自動車メーカーがインドネシアへ進出を強める背景には、EV産業育成と普及拡大に向けたインドネシア政府の支援策がある。政府は、インドネシア国内でEVを製造する企業または将来的な製造を約束している企業に対し、各車種の国産化率に応じて、付加価値税(VAT)の減免、奢侈(しゃし)税の免除、EV完成車や部品の輸入関税免除などの優遇策を提供している(2025年2月26日記事参照)。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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