2024年の輸出額、前年比7.1%増加、ICTなどサービス産業が牽引
(スリランカ)
コロンボ発
2025年02月03日
スリランカ輸出開発局(EDB)は1月27日、2024年(1~12月)の輸出実績を発表した。財輸出額は前年比6.7%増の127億544万ドル、サービス輸出額は8.5%増の34億6,715万ドルで、合計輸出額は7.1%増の161億7,259万ドルだった。
財輸出額が増加した要因としては、最も構成比の高い繊維製品・衣料品が前年比3.8%増の50億5,099万ドル、茶が9.6%増の14億3,587万ドルに増加したことなどが挙げられる(添付資料表1参照)。サービス輸出では、運輸・物流が前年比13.1%増の17億5,311万ドル、情報通信技術(ICT)/ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)の輸出額が前年比18.6%増の14億5,446万ドルに増加し、それぞれ、茶の輸出額を上回った(添付資料表2参照)。
国・地域別の財の輸出額では、衣料品の主要輸出先の米国向けが全体の22.9%を占めて最も多く、前年比5.5%増の29億997万ドルとなった。隣国のインド向けは、コショウの輸出拡大が牽引し、6.5%増の8億8,365万ドルだった。日本への輸出額は5.0%減の1億7,924万ドルだった(添付資料表3参照)。
2022年に債務危機に直面したスリランカでは、輸出産業の育成が課題となっている。アヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ大統領は1月27日、関連省庁を集めた会合を開催し、2025年の輸出額目標を182億ドルに設定するとともに、2030年までに年間輸出額を360億ドルに拡大する計画を明らかにした。大統領府の発表によると、会合では、国内生産の強化の重要性が強調されたほか、スリランカの戦略的な地理的位置や人材、自然資源を活用した持続可能な産業育成計画の策定、新たな外国直接投資の誘致の必要性が議論された。
セイロン商工会議所が1月29日に開催した「スリランカ経済サミット」に登壇したEDB長官のマンガラ・ウィジェーシンハ氏は、輸出品目や輸出先の多角化を図るとともに、省庁間の連携によって輸出環境の整備を図る考えを明らかにした。
(大井裕貴)
(スリランカ)
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