米政府効率化省トップのマスク氏の支持率は34%、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年02月21日
米国のドナルド・トランプ大統領の大統領選挙時における最大の支援者で実業家のイーロン・マスク氏は、行政管理予算局(OMB)傘下組織、政府効率化省(DOGE)サービス(USDS)のトップとなり、連邦政府の縮小、解体などに取り組んでいる。最近の世論調査では、マスク氏への支持率は34%とあまり高くないことがわかった。
「ワシントン・ポスト」紙と調査会社イプソスは2月20日、トランプ政権に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、マスク氏の支持率は34%にとどまり、不支持率が49%と半数近かった。支持政党別では、共和党支持者の70%は支持したが、民主党支持者の85%、無党派層の52%は不支持と回答した。
トランプ氏に関しては、同氏が就任後に取った行動は「大統領としての権限を越えた」と57%が回答した。「大統領の権限内だった」は40%だった。
回答者のコメントとして、トランプ氏が行ったことについて、「政府を骨抜きにするためにマスク氏を雇った。マスク氏は素晴らしい人物かもしれないが、他人と仕事をすることにたけておらず、率直に言って自分が何をしているのか分かっていない」などが紹介された。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが2月に実施した世論調査(注2)によれば、「マスク氏がDOGEサービスを自身の企業や個人の利益のために利用していることを懸念している」と52%(非常に懸念39%、いくらか懸念13%)が回答した。
マスク氏が「トランプ政権内で大きな影響力を持っている」と59%が回答しており、2月初旬の調査時(51%)(2025年2月6日記事参照)と比較して8ポイント上昇した。また、同氏が「大きな影響力を持つことを望む」割合は16%で2月初旬(13%)より3ポイント上昇した。
コネティカット州のキニピアク大学が2月に実施した世論調査(注3)によれば、マスク氏の「米国に影響を与える決定を下す権限が大きすぎる」と55%が回答した。「権限がほぼ適切である」は36%、「権限が少なすぎる」は3%だった。
(注1)実施時期は2025年2月13~18日。対象者は全米の成人2,601人。
(注2)実施時期は2025年2月16~18日。対象者は全米の成人1,603人。
(注3)実施時期は2025年2月13~17日。対象者は全米の登録有権者1,039人。
(松岡智恵子)
(米国)
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