東アフリカ共同体と南部アフリカ開発共同体、DRC東部情勢で緊急首脳会合、即時停戦を呼びかけ
(アフリカ、コンゴ民主共和国、ルワンダ)
ナイロビ発
2025年02月12日
東アフリカ共同体(EAC)と南部アフリカ開発共同体(SADC)は2月8日、タンザニアのダルエスサラームにおいて、コンゴ民主共和国(DRC)東部情勢(2025年2月3日記事参照)にかかる緊急首脳会合を開催した。
DRC東部国境地帯では反政府武装組織「3月23日運動(M23」」が急速に勢力を拡大しており、M23は北キブ州の州都ゴマを制圧しているとされている。ルワンダ政府は関与を否定しているものの、M23は隣国ルワンダ政府の支援を受けていることが国連からも指摘されており、両国の緊張関係はこれまで以上に高まっている。地域安定化のために派遣された周辺国の兵士にも死者が出ており、両国のみならず近隣国を巻き込む大きな問題に発展している。
首脳会合の後、発表された共同コミュニケでは、無条件での即時停戦とDRC領土からの招かれざる外国軍の撤退を訴える声明が発表された。また、5日間以内にEACとSADCの加盟国の軍トップによる会合を開催することなど、具体的なアクションにつなげていく方針が確認された。
DRC東部情勢については、これまでもSADCを中心としたルアンダ和平プロセス(注)と、EACを中心としたナイロビ和平プロセスが事態の鎮静化を図ってきたが、対話は進んでおらずむしろ情勢は悪化している。この度、両プロセスの一本化により、事態の打開を図ったものの、ルワンダのポール・カガメ大統領は対面出席、DRCのフェリックス・チセケディ大統領はオンライン出席だった。両首脳の対話は実現していない。
(注)ルアンダはアンゴラの首都。
(佐藤丈治)
(アフリカ、コンゴ民主共和国、ルワンダ)
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