米USTR、不公正貿易・非相互的貿易慣行に関するパブコメ募集を発表

(米国、日本)

ニューヨーク発

2025年02月25日

米国通商代表部(USTR)は2月20日、外国の不公正貿易・非相互的貿易慣行の調査・特定に資するパブリックコメントを募集すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

USTRが公示予定の官報案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、パブリックコメントの募集は、USTRがドナルド・トランプ大統領の指示を受けて実施する米国と外国の貿易関係の調査の一環として行われる。トランプ大統領は1月20日に発表した「米国第一の通商政策」の大統領覚書を通じて、USTRに対して外国の不公正な貿易慣行の調査・特定や、対抗措置の勧告などを指示した(2025年1月22日記事参照)。また、2月13日に発表した「相互関税」の大統領布告を通じて、USTRに対し、米国と全貿易相手国との「非相互的な貿易関係」や米国が被る損害状況の調査救済措置の提言などを指示した(2025年2月14日記事参照)。

具体的には、USTRは今回のパブリックコメント募集を通じて、外国の不公正貿易慣行や非相互的貿易協定に関する情報提供を求めた。コメントには、外国の不公正貿易慣行や非相互的貿易協定に関する概要のほか、それが利害関係者や米国の利益に及ぼす影響や効果を説明することを求めた。また、米国の労働者、製造業者、農畜産業者、事業者などに与える損害や費用の算出と、算出方法の説明を盛り込むことを推奨した。

USTRは全ての国・地域に関する調査を進めているとしつつ、特にG20諸国(注)などの主要国・地域や、米国が大幅な財の貿易赤字を計上する国・地域に関するコメントを求めた。米国が大幅な財の貿易赤字を計上する国・地域として、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、EU、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ共和国、スイス、台湾、タイ、英国、ベトナムの20カ国・地域を示した。

パブリックコメントの受付期間は2月20日~3月11日。USTRのウェブサイト(ドケットID:USTR-2025-0001外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)から提出・閲覧が可能。

なお、米国商務省センサス局の公表資料によると、2024年の米国の財の貿易収支は1兆2,022億ドルの赤字だった。貿易赤字額の上位3カ国・地域は、中国(2,954億ドル)、EU(2,356億ドル)、メキシコ(1,718億ドル)だった(添付資料図参照)。

(注)アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国、南アフリカ共和国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国、米国、EU。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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