1月のインフレ率は4.31%に低下、野菜価格の上昇が緩和
(インド)
ムンバイ発
2025年02月19日
インド統計・計画実施省(MoSPI)が2月12日に発表した2025年1月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注1)は193.5ポイント(速報値)で、上昇率が前年同月比4.31%に鈍化した。CPI上昇率(インフレ率)は2024年10月に同6.21%と、14カ月ぶりにインド準備銀行(RBI、中央銀行)の定めるインフレ率の許容範囲(4%±2%)を超えたが、11月以降は再び範囲内に収まっている(添付資料図参照)。
同指数の品目の半分近くを占める食品のインフレ率(注2)は前年同月比6.02%で、ここ数カ月は若干の落ち着きを見せている。2024年のモンスーン期の適量な降雨により冬季の野菜の生育が順調だったことなどから、特にインフレの主要因だった野菜の上昇率は11.35%となり、2024年10月以降、低下傾向が続いている。全品目のインフレ率は都市部で3.87%、農村部で4.64%だった。
現地報道では、「インフレ率の軟化は、2月上旬に実施されたRBIの金融政策決定会合の金利引き下げの動きを裏付けるもので、インフレ率は今後2~3カ月でRBIの定めるインフレ率の許容範囲の中間値以下に向かうと予想される」との、エコノミストの見方が紹介されている(「エコノミック・タイムズ」紙2月12日)。
なお、RBIは2月上旬の金融政策決定会合(MPC)で、政策金利(レポレート)を0.25ポイント引き下げ6.25%とすることを決定した(2025年2月19日記事参照)。
(注1)全国ベースのCPIは基準年の2012年を100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。
(注2)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)のインフレ率を記載。
(篠田正大)
(インド)
ビジネス短信 5f72f9c19a08df05