中微半導体設備(AMEC)、四川省成都市に30億元超投じ生産拠点を建設
(中国)
上海発
2025年02月27日
上海証券取引所に上場する中国の半導体製造装置メーカーの中微半導体設備(上海)(AMEC)は2月18日、四川省の成都高新技術(ハイテク)産業開発区と投資契約を締結した。同開発区に資本金1億元(約21億円、1元=約21円)の完全子会社の中微半導体設備(四川)を設立し、研究開発・生産拠点とともに西南地区本部も設置する方針だ。総投資額は約30億5,000万元で、約50ムー(約3万3,350平方メートル、1ムー=約667平方メートル)の用地を購入する。同社は2025年中に着工し、2027年の生産開始を計画している。
中微半導体設備(四川)では、CVD(化学気相成長法、注1)装置やALD(原子層堆積法、注2)装置などを中心に、先端ロジック半導体、メモリチップなどに関連する製造装置の開発、生産に注力する予定だ。また、現地のサプライチェーン関連企業の投資も積極的に進め、半導体製造装置産業クラスターの構築を推進するという。
AMECは2004年に設立し、北方華創科技集団(NAURA)、盛美半導体設備と並ぶ中国の大手半導体装置メーカーだ(2024年2月1日記事参照)。ここ数年、半導体チップの国内需要拡大で業績の好調が続く。同社が2025年1月15日に発表した2024年度決算見通しによると、売上高が前年比44.7%増の90億6,500万元、純利益が7.4~20.0%増の12億8,000万~14億3,000万元になる見通しだ。研究開発(R&D)費は94.1%増の24億5,000万元で、売上高の27.0%を占めているという。
(注1)化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)は、薄膜の原料を気体の形で堆積室(たいせきしつ)に供給し、これを熱またはプラズマのエネルギーなどで分解し、金属薄膜あるいは化合物薄膜として基材の表面に堆積する方法。電子デバイス、装飾用コーティング、ハードコーティング、フィルムコーティングなど広い範囲で用いられる。
(注2)原子層堆積法(Atomic Layer Deposition)は先端的なデポジション(成膜)技術を指し、数ナノメートルの超薄膜を正確に制御された手法により堆積させることが可能となる。
(劉元森)
(中国)
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