盛美半導体設備、半導体製造装置事業を強化、最大約927億円調達へ
(中国)
上海発
2024年02月01日
上海証券取引所に上場する中国の半導体製造装置メーカーの盛美半導体設備(盛美上海)は1月26日、第三者割当増資を実施し、最大45億元(約927億円、1元=約20.6円)を調達すると発表した。調達資金のうち、半導体製造装置の研究開発・検証プラットフォームの構築プロジェクトに約9億4,000万元、先端半導体製造装置の改良開発プロジェクトに約22億5,500万元をそれぞれ充てるほか、残りは運転資金となる方針だ。2つのプロジェクトはいずれも4年間をかけて実施していく予定だ。
盛美上海によると、2021年の世界の半導体製造装置市場について、米国、オランダ、日本の企業計5社で全世界の70%以上のシェアを占めている。中国各社の市場シェアは合計1.7%と、2019年の1.4%から上昇したが、上位企業とは大きな開きがあった。同社は半導体洗浄装置の国内主力メーカーとして、大型投資で高性能製品の開発を強化し、国際競争力を高めていくと強調した。
中国の市場調査会社CINNO Researchによると、盛美上海は首位の北方華創科技集団(NAURA)、2位の中微半導体設備(AMEC)に次いで、中国3位の売上高を誇る半導体製造装置メーカーだ。同社は半導体洗浄装置や先端パッケージング湿式処理装置を中心に、近年は成膜装置にも参入している。2022年の売上高は前年比78%増と急拡大しているという。
中国の半導体製造装置企業の業績は2023年に入ってからも好調が続く。各社が1月に発表した2023年度の売上高予想では、北方華創科技集団が前年比42.77~57.27%増、中微半導体設備が約32.1%増、盛美上海が27.04~47.93%増と、いずれも大幅な成長を見込んでいる(「証券時報」1月22日)。
(劉元森)
(中国)
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