RCEPサポートユニットが発足、制度的支援を促進

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、日本)

ジャカルタ発

2025年02月06日

ASEAN事務局(本部:インドネシア・ジャカルタ)は2024年12月9日、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の執行を補助することなどを目的としたRCEPサポートユニットをASEAN事務局内に設置したと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。事務局長には、インドネシア商業省出身のタウフィック・アルフィ・ワルガダラム氏が就任した。同日に開催された発足式には、カオ・キムホンASEAN事務総長のほか、RCEP合同委員会(RJC)の共同議長を務めるインドネシアのブディ・サントソ商業相が出席した。

RCEPサポートユニット(RSU)は、2022年9月17日に開催されたRCEP閣僚会合において、ASEAN事務局内に設置することが決定されていた。今後、同ユニットはRCEP協定の執行に関して、RJCやその補助機関(注)に対する必要な支援を行うとしている。

発足式でカオASEAN事務総長は、RSUの発足はRCEPという世界最大の貿易圏の円滑かつ効果的な実施に対する同事務局のコミットメントを示すものであるとしたうえで、「RSUはRCEP協定が近代的で質の高い、オープンで包括的な協定であり続けるよう、積極的な役割を果たす」と強調した。

タウフィック事務局長は2025年1月31日、ジェトロに対して、「RCEPの全体的な関税譲許は、既存のASEANプラス1のFTA(自由貿易協定)より大きくないかもしれないが、RCEPは特定の製品に対してより良い関税譲許を提供している」と述べた。また、同協定は、参加国間におけるサプライチェーンの連結性を強化し、より円滑に貿易が行われる環境を提供するとコメントした。

同氏はさらに、RSUはRCEP参加国間のコミュニケーションを含む制度的支援を促進するとし、企業関係者への支援を主な目的とした専用ウェブサイトを開発する予定だと明かした。また、「中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、日本を含む非ASEAN加盟国によるさまざまな資金提供メカニズムを活用し、ASEAN加盟国向けの経済技術協力プログラムを実施するためにRCEP参加国と協力している」と述べた。

(注)RJCの下に補助機関として、物品委員会、サービス・投資委員会、持続可能な成長委員会、ビジネス環境委員会の4つの委員会が設置されている。

(大滝泰史)

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、日本)

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