ロシアのラブロフ外相がイラン来訪、両国の関係強化を強調

(イラン、ロシア、米国)

テヘラン発

2025年02月27日

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は2月25日、イランを訪問し、マースード・ペゼシュキヤーン大統領らと会談した。

会談でペゼシュキヤーン大統領は、イランとロシアの建設的な地域協力継続の重要性を強調した。両国は地域問題に近い見解を持ち、相互の協力と上海協力機構(SCO)、ユーラシア経済連合(EAEU)、BRICSなどの組織を通じて地域および国際協力を強化しているとし、2国間関係の拡大、特に包括的戦略的パートナーシップ協定(2025年1月21日記事参照)などの各協定の実施を加速させる必要性を述べた。

これに対しラブロフ外相は、同大統領の発言に同意し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領からのメッセージとして、両国の協力関係や2国間協定、特に包括的戦略的パートナーシップの実施を促進することへの同国のコミットメントをあらためて表明した。また、イランのEAEUへの加盟は、特に経済と貿易における両国の関係強化に効果的とし、両国は地域協力の継続において多くの共通の利益を有していると述べた〔2月26日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

ラブロフ外相はイランのアッバース・アラーグチー外相とも会談し、両外相は2国間関係の広範な課題やパレスチナ、シリア、レバノン、アフガニスタン、コーカサス地方、ウクライナなどの地域および国際的な動向について意見交換を行った。

会談で両外相は、イランとロシアの包括的戦略的パートナーシップ協定の署名の重要性を指摘し、これは両国間の協力の最も重要な表れで、この条約が戦略的協力と両国の政治、経済、貿易、観光、科学、教育、文化、メディア、人々の関係の発展を明確に描いていると強調し、その批准と実施を追求すべきだとした。

このほかにアラーグチー外相は、圧力と脅威の中でも、原子力エネルギーの平和的利用の権利を放棄しないとも述べた(2月26日付イラン外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

会談後の共同記者会見でアラーグチー外相は、イランの核協議および西側諸国との関係に関する立場に言及し、ロシアや中国と協力し、調整しながら進めていくと述べた。核協議に関して、イランの立場は非常に明確で、圧力、脅威、制裁の下では交渉しないと強調し、「最大限の圧力がこのかたちで続く限り、米国との直接交渉の可能性はない」とした。

また、シリア情勢についてはロシアと緊密に連携しているとし、パレスチナとレバノンについても「広範な議論を行ってきた」とした(2月25日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、ロシア、米国)

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