イスタンブールの生活費が高騰

(トルコ)

イスタンブール発

2025年02月10日

トルコのイスタンブール市計画局(IPA)は2月3日、イスタンブールで4人家族が生活する際にかかる、1月の平均生活費を発表した。これによると、前年同月比56.21%増の8万2,880リラ(約35万6,400円、1月31日付換算レートで1リラ=約4.3円)、前月比でも5,495リラ(7.10%)増加した。4人家族構成は、大人(夫婦)と子供(2人)を想定しており、月額最低賃金の手取りが2万2,104リラで、共働きとした場合も、到底カバーできる金額ではない。また、あらゆる商品の価格が高騰しているイスタンブールでは、この金額で最低限の生活さえできないという声もある。

イスタンブール商業会議所(ITO)が2月3日に発表したイスタンブール市の1月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比48.40%、前月比5.16%、一方、トルコ統計機構(TUIK)が同日発表したトルコの1月のCPI上昇率は、前年同月比42.12%、前月比5.03%だった。ITOのCPI上昇率を項目別にみると、教育費が最も著しく上昇しており、前年同月比91.07%、その次に住宅費60.88%、医療60.79%と続き、市民の生活に大きな打撃を与えている。

OECDが2月5日に発表したデータによると、2024年12月に最もインフレ率が高かった加盟国はトルコ(44.4%)で、2位のコロンビア(5.2%)に大きな差をつけた結果となった。

メフメット・シムシェキ国庫・財務相は就任以来、インフレ抑制の対応措置を講じており、2025年のCPI目標を21%としている。一方、市民の間では実際の物価および上昇率はより高いと感じられているようだ。

(井口南)

(トルコ)

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