スイス連邦鉄道、2024年の列車の定時運行率を93.2%と発表
(スイス)
ジュネーブ発
2025年01月30日
スイス連邦鉄道(SBB)は1月27日、2024年の列車の定時運行率が前年比0.7ポイント増の93.2%となり、過去最高を記録したことを発表した。2019年の90.6%から、2020年の92.7%、2021年の91.9%、2022年の92.5%、2023年の92.5%と毎年9割を超える安定した定時運行率を維持している。2024年の乗り継ぎ時間の定時性は前年と同じ98.7%だった。
定時運行に対する顧客満足度は前年比1.5ポイント増の87.6%に達した。顧客満足度は全ての地域で、特に長距離路線で大幅に増加しており、各部門間の協力と全従業員のゆるぎないコミットメントの成果だとしている。また、車両とインフラの高い信頼性が大きく寄与しているが、2024年11月22日の大雪のような悪天候が時折、定時運行を阻害するなど、短時間での厳しい気象現象が交通に影響を与えたことも指摘している。
地域別にみると、スイスのフランス語圏で、2023年のダイヤ改正に合わせて調整を行った結果、定時運行率が前年比2.7ポイント増の91.9%に大幅に上昇したが、目標の92.0%に0.1ポイント届かなかったとした。
ティチーノ州を含む南部地域の定時運行率は前年比2.1ポイント増の92.6%で過去最高を記録したが、イタリアからの乗り継ぎの定時性の欠如と、周辺国の鉄道会社による突発的なストライキが大きな課題をもたらしたと説明している。
ドイツ語圏では、長期にわたる工事や国際旅客輸送の質の悪さが定時運行に悪影響を及ぼしたにもかかわらず、定時運行率は最も高く、中央部で93.7%、東部で93.7%だった。
貨物輸送の定時運行率は、2024年に1.8ポイント悪化し、88%になった。この悪化は2023年末のITシステムの変更やゴッタルドベーストンネル内事故の影響による迂回路での運行、古い機関車の信頼性の低下、人員不足によるものだった。
なお、列車や乗り継ぎの定時性について、スイスでは目的地への到着の遅れが3分未満であれば定時運行とみなされる。ドイツでは6分未満、フランスとイタリアでは5分未満と、定時運行の定義が異なる。列車と乗り継ぎの定時性は、顧客満足度と輸送ネットワーク全体の効率性において重要な役割を果たしていると、SBBは説明している。
(田中晋)
(スイス)
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