米NY州首都圏交通局、マンハッタン中心部の通行料徴収プログラムの成果発表
(米国)
ニューヨーク発
2025年01月23日
米国ニューヨーク(NY)州の首都圏交通局(MTA)は1月14日、同月5日に導入したマンハッタン中心部通行料徴収プログラムの成果を発表した。このプログラムは、NY市マンハッタン区の60丁目以南の中心部(CBD)を通行する車両に料金を課すもので、NY州のキャシー・ホークル知事(民主党)が2024年11月にプログラム導入を発表していた(2024年12月10日記事参照)。
発表によると、導入後1週間で大きく分けて3つの成果が挙がった。1つ目は、CBDに入る車両数が平日では7.51%減少したこと、2つ目は、車両が川を越えて(注)CBDに入る移動時間が30~40%短縮されたこと、3つ目は、交通量の減少により、多くのMTA高速バス利用者の通勤時間が短縮されたこととなっている。
1つ目の成果について、プログラムが導入された1月5日(日)~10日(金)にCBDに入った車両の最低数は1月5日の47万5,391台、最高数は10日の56万1,604台だった。2022~2024年の10月に実際にCBDに入った車両数を基に、1月にCBDに入ると想定していた1日当たりの車両数は58万3,000台で、1月6~10日に1日当たり実際に入った車両数は7.51%減となった。
2つ目の移動時間の短縮について、午後には、南北に走る大通りを除き、ほとんどの道路と通行料徴収プログラムの対象外の道路でも、移動時間が20~30%改善された。3つ目の、MTAバス利用者の通勤時間の短縮について、特に午前中のピーク時のバスの移動時間が短縮され、主にハドソン川やイースト川を渡ってマンハッタンに入る高速バスの移動時間が短縮された。
(注)マンハッタン島の外(ブルックリン区、クイーンズ区、ニュージャージー州など)からマンハッタンに入る車両。
(吉田奈津絵)
(米国)
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