12月の消費者物価上昇率は前年同月比1.23%、2024年通年で0.40%
(タイ)
バンコク発
2025年01月14日
タイ商務省が1月6日に発表した12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比1.23%となり、前月(0.95%)より上振れした。2024年通年のCPI上昇率は0.40%で、4年ぶりの低い水準になり、通年予測の0.2%~0.8%に収まった。2025年は0.3%~1.3%(中間値0.8%)と見込む。
同省によると、12月のCPI上昇率の加速は、燃料や生鮮果物、ノンアルコール飲料などの価格上昇が要因とした。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数は0.79%上昇し、前月(0.80%)からわずかに下落した。
通商政策戦略局(TPSO)は、民間投資の拡大や民間消費の改善、観光業の活況による財・サービスの需要増が物価を上昇させる可能性があると指摘している。一方、インフレを抑制し得る3つの要因として、(1)生活費(電力、ガス価格など)上昇に対する緩和策の継続、(2)2024年の生鮮野菜、果物価格に影響したエルニーニョ現象、ラニーニャ現象が深刻でなくなること、(3)不動産や自動車販売の不振による住宅賃料、自動車価格の伸びの抑制を挙げた。その他、貿易相手国による保護主義的な貿易措置、地政学的緊張などが世界経済の減速、ひいては物価に影響する可能性があるとした。
(藤田豊)
(タイ)
ビジネス短信 b5a0693c35e69cdc