ダボス会議特別演説で、EUは世界経済の絆を、中国は多国間主義を強調
(世界、スイス、EU、中国)
ジュネーブ発
2025年01月28日
世界経済フォーラム(WEF)の第55回年次総会(ダボス会議)が1月20~24日、スイスのダボスで開催された。同年次総会は「インテリジェント時代に向けた協力」をメインテーマに掲げ、「信頼の再構築
」「成長の再考
」「人材への投資
」「地球の保護
」「インテリジェント時代の産業
」の5つをサブテーマに構成された。
複雑さが増して急速に変化する世界では、社会の分断が深まり、地政学は多極化し、政策は保護主義へと移行し、貿易と投資の両方を妨げているという現実がある。今回の年次総会では、世界のリーダーたちは一連のテーマ別セッションを通じて、利害関係者が国際的にも社会的にも、解決策について協力するための新しい方策を議論した。
130カ国以上から3,000人近くの参加者を迎え、その中には50人以上の国家元首や政府首脳、数百人のその他主要な政府指導者が含まれていた。多くの世界の指導者が特別演説を行い、公開対話に参加した。
WEFの発表による主な各国首脳の主要な発言は次のとおり(2025年1月28日別記事も参照)。
年次総会の開会式で特別演説を行った欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は「今日の世界は、これまでとほとんど変わらずにつながっている」「しかし、新たな線に沿って分裂も始まっている」と述べ、民間部門と公共部門のリーダーが協力するよう促し、「世界経済の絆を断ち切ることは誰の利益にもならない」と強調した。
中国の丁薛祥副首相は特別演説で、各国政府に多国間主義の制度を堅持するよう求め、保護主義政策の拡大に警鐘を鳴らした。丁副首相は「貿易戦争に勝者はいない」「われわれは真の多国間主義を共同で堅持し、実践する必要がある」と指摘するとともに、「多国間主義は世界平和を維持し、人類の進歩を促進する正しい方法だ。それは世界が直面する困難と課題を解決する黄金のカギになる」と述べた。
(田中晋)
(世界、スイス、EU、中国)
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