2024年9月のインドネシア貧困率は8.57%、過去最低に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年01月24日

インドネシア中央統計庁(BPS)は1月15日、2024年9月時点の貧困率を8.57%と発表した(注)。前回調査(2024年3月)と比べて0.46ポイント、前年同月比では0.79ポイント、それぞれ減少した。9月の貧困層数は2,406万人で、2024年3月時点から116万人、2023年9月時点から184万人、それぞれ減少した。1960年の調査開始以降、過去最低となった(「デティック」1月16日)。9月の貧困水準は、1人当たりの月額支出で59万5,242ルピア(約5,714円、1ルピア=約0.0096円)だった。

都市部と農村部に分けた貧困層の割合では、都市部が前回調査時点と比べて0.43ポイント減の6.66%、農村部は0.45ポイント減の11.34%だった。貧困層の支出構成に占める食費は、都市部が2.66%増の45万3,120ルピア、農村部が1.50%増の43万508ルピア、食費の内訳としては、コメの支出が最も多く、都市部で21.01%、農村部で24.93%だった。

BPSは、2024年3~9月の期間に貧困率に影響を与えた要因として、2024年第3四半期(7~9月)の経済成長率が第1四半期(1~3月)に比べて5.35%増となったことや、2024年第3四半期の家計最終消費支出が第1四半期に比べて2.63%増加したことなどを挙げた。

BPS長官代理のアマリア・アディニンガー・ウィディアサンティ氏は「2024年9月の貧困率は、1960年にBPSが初めて貧困率を発表して以来、最も低かった。一方で、都市部と農村部の貧困格差は依然として大きい」と述べた(「ビスニス」1月15日)。

(注)BPSは貧困を「月間平均支出額が貧困ラインを下回る層」と定義している。貧困ラインとは、食料貧困ラインと非食料貧困ラインの2つの要素で構成され、食料貧困ラインは、1人当たり1日2,100キロカロリーに相当する最低限の食料ニーズに費やす金額、非食料貧困ラインは、住宅、衣服、教育、健康など、最低限の非食料ニーズに対する支出額とされる。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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