ケニア政府が内閣改造を実施、前大統領との関係修復が狙いか

(ケニア)

ナイロビ発

2025年01月20日

ケニア政府は内閣改造を実施し、1月17日に3人の閣僚の就任式を行った。元保健長官のムタヒ・カグウェ(Mutahi Kagwe)氏が農業・畜産開発長官に、元ナクル郡知事のリー・キニャンジュイ(Lee Kinyanjui)氏が投資・貿易・産業長官に、元キアンブ郡知事のウィリアム・カボゴ(William Kabogo)氏が情報通信・デジタル経済長官に就任した。また、キトゥレ・キンディキ氏の副大統領就任に伴い空席となっていた内務・政務調整長官にキプチュンバ・ムルコメン(Kipchumba Murkomen)青少年・クリエーティブ経済・スポーツ長官が、その後任の青少年・クリエーティブ経済・スポーツ長官にサリム・ムブリヤ(Salim Mvurya)投資・貿易・産業長官が横滑りして就任した。

今回の内閣改造で新たに就任した3人の閣僚は、いずれもウフル・ケニヤッタ前大統領と近しいとされる。ウィリアム・ルト大統領は、2024年10月にリガティ・ガチャグア氏を副大統領から罷免しており、同氏が票をとりまとめていた大票田とされるケニア山一帯およびキクユ族からの支持を大きく失ったとされている(2024年10月31日記事参照)。今回の内閣改造で、先の選挙において対立候補の支援に回ったケニヤッタ前大統領との関係を修復し、政治的な影響力を強めようという狙いがある、と現地紙は報じている。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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