ジェトロ、広州市政府との意見交換会開催、邦人の安全確保の徹底と強化などを要望
(中国)
広州発
2025年01月27日
ジェトロは1月17日、在広州日本総領事館、広州日本商工会との共催で、現地進出日系企業のビジネス環境改善を目的とした広州市政府との意見交換会「2025広州・日本経済貿易協力円卓会議」を開催した。
今回の意見交換会では、「邦人の安全確保」「税」「経済政策・補助制度」「生活」の4分野に関する合計15項目の要望や質問を日系企業から提起し、それらについて広州市政府の各関連部門と意見交換を行った。
「邦人の安全確保」に関しては、2024年から各地で無差別殺傷事件が発生していることから、広州市で働く者やその家族の安全確保、特に児童・生徒の通学における安全確保の徹底と強化の要望があった。これに対し、広州市公安局は「学校を重点防衛保護機関に位置づけ、学校に対して校内警備の強化を指導しているほか、学校周辺の警備を強化し、特に通学路や校門付近での安全確保、スクールバス停留所のパトロールを行っている」と回答した。加えて、「広州市ではトラブル発生時に1分、3分、5分で現場に対応できるようなシステム(135快速反応圏)を整備しており、学校、バス停、ショッピングモールなどの密集地を重点的に警備し、緊急事件を最短時間で対応できるようにしている」と述べた。
「税」に関しては、広州市の大湾区個人所得税の優遇措置への関心が高く、2023年分の申請開始時期と2024年分の開始予定時期に対して質問があった。広州市財政局は「2023年分について、申請ガイドラインを現在作成中で、申請開始時期は市の財政局、税務局、科技局、人力資源・社会保障局など政府機関のウェブサイトで情報を発表する」と回答。また、2024年度分については、「2025年6月に行われる2024年度の個人所得税の確定申告が終了以降の時期になる」と発言した。
「経済政策・補助制度」に関しては、日系自動車販売が厳しい状況に置かれているため、産業支援策の有無について質問があった。広州市工業情報化局は「市政府では質の高い発展のために前向きな取り組みを進めており、新エネルギー車(以下、新エネ車)、自動運転車、燃料電池車について、それぞれ支援策を打ち出している」と説明した。また、同局は「例えば、新エネ車の新車種をリリースした場合や、販売台数目標を達成した場合に奨励金を設ける支援策がある。当局は自動車の新エネ化とスマート化へのシフトを進めており、各企業においても中国市場のトレンドを見極めて、産業政策を活用してほしい」とコメントした。
「生活」に関しては、交通関連を中心とした改善要望があった。具体的には、2023年に道路交通マナーの改善について要望し、2024年12月に電動バイクに関する管理規定が施行されたが、その規定を今後どのように市民に浸透させるかについて質問があった。これに対し、広州市公安局と市交通運輸局は「SNSによる広報、違法行為に対する取り締まり強化、専用レーンの開設などの手段を用いて取り組んでいる」と述べた。
(汪涵芷)
(中国)
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