米商務省、国立半導体技術センター3つ目の旗艦施設をアリゾナ州に設立へ

(米国)

ニューヨーク発

2025年01月07日

米国商務省は1月6日、国立半導体技術センター(NSTC)を運営する非営利団体ナットキャストとともに、NSTCの3つ目の旗艦研究開発施設を西部アリゾナ州のアリゾナ州立大学(ASU)リサーチパークに設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

商務省はこれまでに、NSTCの旗艦施設として、極端紫外線(EUV)の研究開発施設をニューヨーク州に(2024年11月1日記事参照)、半導体設計の研究開発施設をカリフォルニア州に(2024年11月5日記事参照)設立することを発表していた。商務省が今回発表したNSTCの3つ目の旗艦研究開発施設の「先端パッケージング試験施設(PPF)」は2028年に稼働予定で、半導体の研究者や業界リーダーが新材料、デバイス設計、先端パッケージングのソリューション開発や試験を行う。

商務省は発表の中で、新規の半導体技術を研究段階から量産に移行させることは業界にとって大きな課題になっていると指摘し、その主な要因として、300ミリメートル(mm)半導体ウエハーの試作能力を備えた施設、インフラ、熟練人材、資本へのアクセスが不足していることを挙げた。ASUリサーチパークに設立されるPPFでは、これらの問題に対処するため、少なくとも1つの300mm半導体ウエハー試作能力を備え、製造現場に似た環境での新材料、デバイス設計、先端パッケージングなどさまざまな研究開発を可能にする想定としている。

商務省のジーナ・レモンド長官は発表の中で、「長年にわたり技術革新の中心地であるアリゾナ州に半導体の新施設が設立されることで、国内のサプライチェーンが強化され、先進製造技術の進歩が促され、このきわめて重要な産業における米国のリーダーシップが確保されるだろう」と述べた。

なお、商務省とナットキャストは、NSTCと提携するテクニカルセンターの選定過程についても今後発表を予定している。

(葛西泰介)

(米国)

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