世界銀行、アンドラ・プラデシュ州の新州都開発への融資発表
(インド)
チェンナイ発
2024年12月26日
世界銀行は12月20日、インド南部アンドラ・プラデシュ(AP)州の新州都アマラバティ開発に対し、8億ドルの融資を理事会が承認したと発表した。アジア開発銀行(ADB)も、12月12日に7億8,880億ドルの融資を承認、発表しており、AP州は新州都建設に約15億ドル以上の融資を得たことになる(添付資料図参照)。
AP州は、2014年のAP州再編成法(Andhra Pradesh Reorganization Act, 2014)によりテランガナ州とAP州に分離された。これに伴い、それまでの州都ハイデラバードはテランガナ州の州都となり、当時のAP州政権与党だったテルグ・デサーム党(TDP)のナラ・チャンドラバブ・ナイドゥ州首相は、アマラバティに新州都の建設を発表。世界銀行およびアジアインフラ投資銀行(AIIB)が、総額5億ドルの融資を表明していた。しかし、2019年の州議会選挙でTDPが敗北し、政権を獲得したYSRコングレス(YSRCP)のY・S・ジャガン・モハン・レッディ州首相がアマラバティの新州都建設計画を否定。これに伴い、2019年7月に世界銀行およびAIIBが相次いで融資の中止を決定し、2024年6月に開票された州議会選挙でTDPが政権を奪還するまで、新州都建設計画は停滞していた。
今回、世界銀行とADBの融資を得たことで、AP州政府は新州都アマラバティの道路、公共交通機関、上下水道市システムなどのインフラの構築を進めることとなる。ナイドゥ州首相は政権獲得後、矢継ぎ早に新政策を進めており、今回の世界銀行、ADBからの融資獲得は、AP州の信頼獲得という意味で大きな意味を持つものとみられる。
新州都アマラバティの風景(2024年2月、ジェトロ撮影)
(白石薫)
(インド)
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