吉林省、教育・科学技術・人材・産業の一体化発展3カ年行動プランを公布
(中国)
大連発
2024年12月03日
中国の吉林省政府は11月13日、「吉林省教育・科学技術・人材・産業の一体化発展3カ年行動プラン」を公布した。同プランは、教育・科学技術・人材・産業を一体化させた発展を推進し、同省の質の高い発展を推進するために制定されたもので、2027年までの目標として、全省在籍の大学院生12万人、大学本科(学部)レベル以上の学生のうちの理工系・農学・医学系の在籍割合55%、ハイレベル人材2万7,000人以上を掲げ、全省の科学研究実験開発(R&D)投資額と科学技術成果の実用化の件数はそれぞれ毎年平均10%、15%以上増加させることとしている。
また、同プランでは、教育による質の高い産業発展への支援向上などを含む4つの柱の17項目の重点取り組みを定めている(添付資料表参照)。取り組みにおける主な目標は次のとおり。
- 大学本科(学部)の理工・農学・医学類学科の割合は50%以上に調整し、早急に必要とされる、不足している専攻を約100学科新設する。
- 光電子情報、新材料、人工知能などの重点産業に焦点を当て、中央国有企業による基礎研究への投資増加を奨励する。
- 新エネルギー車、ハイエンド設備製造、炭素繊維、風力ソーラー発電・水素貯蔵、バイオ医学などのコア技術に焦点を当ててR&Dを強化する。
- 第一汽車集団、中車長春軌道客車、長光衛星技術、吉林化繊(すべて国有企業)などを技術開発面でリードする企業へ発展させるため、「1企業1政策」を掲げ、省市が連携して支援する。
- 新エネルギーコネクテッドカー(注)、ハイエンド設備製造、光電子情報、デジタル経済、バイオ医学、現代農業などの主要分野に注力し、関連中核産業を拡張・発展させる。
- 水素エネルギー、炭素繊維、高出力半導体、バイオ医薬品などの分野における応用シーンの開発・開放を促進する。
また、同プランを確実に推進するために、大学・研究機関に対する財政資金拠出、プラットフォーム構築、プロジェクト支援、科学技術表彰にあたっては、大学・研究機関における研究成果の実用化を重要な基準とするとした。
(注)コネクテッドカーとは、インターネットの通信機能を備えた自動車を指す。
(李穎)
(中国)
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