中西部激戦州でハリス氏とトランプ氏の支持率ほぼ互角、米大統領選世論調査
(米国)
調査部米州課
2024年10月24日
11月5日の米国大統領選挙に向けて、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の選挙に関する世論調査では、接戦が続いている。直近の中西部激戦州(スイングステート(650KB))の世論調査では、両者がほぼ互角との結果だ。
コネティカット州のキニピアク大学は10月23日、中西部の激戦州での世論調査結果(注1)を発表した。それによると、大統領選がきょう行われた場合、誰に投票するかという問いに対して、ウィスコンシン州(WI)ではハリス氏、トランプ氏ともに支持率が48%と互角だった。ミシガン州(MI)ではハリス氏が49%と、トランプ氏(46%)を上回るが、標本誤差(±2.9ポイント)の範囲に収まる。男女別では、トランプ氏を支持する男性と、ハリス氏を支持する女性と、傾向が次のとおり顕著に分かれる。
- WI:男性(ハリス氏38%、トランプ氏59%)、女性(ハリス氏57%、トランプ氏39%)
- MI:男性(ハリス氏40%、トランプ氏56%)、女性(ハリス氏57%、トランプ氏37%)
選挙の重要な争点とみられる「経済」「移民」では、トランプ氏がより良い仕事をすると回答した割合が高かった(注2)。一方、「米国内の民主主義の保護」と「人工妊娠中絶」では、ハリス氏への評価が高かった(注3)。
「ワシントン・ポスト」紙(10月23日)が最近の激戦州での世論調査を集計した平均値では、ハリス氏の支持率がトランプ氏を上回るペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガンの各州でトランプ氏との差は2ポイント、ネバダでは1ポイント未満だ。トランプ氏がハリス氏を上回るジョージア、アリゾナでは2ポイント差、ノースカロライナでは1ポイント差未満という僅差だ。
トランプ前政権で国土安全保障長官や大統領首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏は「ニューヨーク・タイムズ」紙(10月22日)のインタビューで、大統領を選ぶ時は適正と人格を考慮すべきと強調した。トランプ氏はファシストの定義を満たしており、許されれば独裁者のように統治し、憲法や法の支配の概念を理解してないと述べ、トランプ氏当選への懸念を示した。
(注1)実施時期は10月17~21日、WI、MIの投票予定者各1,108人、1,136人。
(注2)「経済」:WI(ハリス氏47%、トランプ氏52%)、MI(ハリス氏47%、トランプ氏51%)、「移民」:WI(ハリス氏44%、トランプ氏53%)、MI(ハリス氏45%、トランプ氏52%)。
(注3)「米国内の民主主義の保護」:WI(ハリス氏50%、トランプ氏47%)、MI(ハリス氏52%、トランプ氏45%)、「人工妊娠中絶」:WI(ハリス氏54%、トランプ氏40%)、MI(ハリス氏56%、トランプ氏37%)。
(松岡智恵子)
(米国)
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