再生可能エネルギー風力発電見本市、チェンナイで開催

(インド)

チェンナイ発

2024年10月31日

インド南部のチェンナイで102325日、風力発電機、設備、保全などに関わる企業が出展する見本市「ウインドエナジー・インディア(Windergy INDIA 2024)」が開催された。開催期間中の2日間にわたり、電力業界のリーダーやイノベーター、政策立案者など56人が登壇したセミナーやワークショップを通じて、B2BB2Gビジネスに向けた最新の進歩と発電技術、今後の風力エネルギー改革の可能性などの意見交換も行われた。主催はインド風力タービン製造者協会(IWTMA)と民間イベント会社PDAベンチャーズで、インド電力省、新・再生エネルギー省、国立インド改革機関が支援した。

出展社総数は268社で、チェンナイ貿易センターの屋内展示場3カ所と、セミナー会場1カ所で開催された。屋内展示場には、インド最大級のエネルギー企業アダニ・グループの傘下で、風力発電機製造を手掛けるアダニ・ウインドや、インドの風力発電製造設備大手スズロンなどが出展し、自社発電機の設置実績や発電性能、保守点検までの一貫した風力発電ビジネスについて実績を強調し、新しい取引先とのビジネス開拓を模索していた。

また、発電システムに必要な部品メーカーや、潤滑油メーカー、ブレードを保守点検・清掃するサービスなど、風力発電に関連した企業が自社の製品やサービスを説明していた。

写真 会場の風景(ジェトロ撮影)

会場の風景(ジェトロ撮影)

風力発電設備用の精密部品製造を可能とする日系工作機械メーカーも今回出展しており、部品の製造と安定供給に向けて、多くの来場者からの質問を受けていた。

写真 日系企業の展示ブース(ジェトロ撮影)

日系企業の展示ブース(ジェトロ撮影)

インド政府は2030 年までに再生エネルギー設備容量を 500 ギガワット(GW)に拡大するという政府目標を掲げている(2021年11月5日記事参照)。インドには約7,600キロの海岸線があり、洋上風力発電の大きな可能性があるにもかかわらず、開発は遅れているが、西部グジャラート州と南部タミル・ナドゥ州では、総額745億3,000万ルピー(約1,341億5,400万円、1ルピー=約1.8円)の1GW〔各州それぞれ500メガワット(MW)〕の洋上風力発電事業を計画しているなど、目標達成に向けてインド全体として再生可能エネルギーへのシフトが着実に進んでいる状況だ。

(淺羽英樹)

(インド)

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