2024年アジアパワーインデックス、インドの影響力はアジア域内で緩やかに拡大

(インド)

調査部アジア大洋州課

2024年10月02日

オーストラリアのシドニーを拠点とするシンクタンク、ローウィー研究所(Lowy Institute)は9月22日、「アジアパワーインデックス2024年版(Asia Power Index 2024)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同報告書では、インドのアジアにおける影響力が緩やかに拡大し、前年まで3位の日本を上回り、米国、中国に次ぐ勢力になったと明らかにした。同指数は経済や外交、軍事・防衛、文化といった8つの指標を基にスコアを算出し、相対的な影響力を順位付けするもの。インドの総合指数は前回比2.8ポイント増の39.1(注)となった。

インドの影響力拡大の背景として、豊富な人口、規模の大きな国土と経済を挙げ、「経済力(economic capability)」については、前回比4.2ポイント増の26.1とした。一方で、インド経済は複雑な様相を呈しているとした上で、「経済関係(economic relationships」」が弱く、他のアジア経済圏との経済統合に消極的な点や、地域の経済枠組みへの参画が活発でない傾向は今後も続くとした。

なお、同指数では項目別に「影響を与えている国」も発表しているが、インドは「貿易」についてはネパール、スリランカ、バングラデシュの順に、「投資」についてはバングラデシュ(インドへの依存度16.6%)、スリランカ(同12.7%)、ネパール(同8.4%)の順で影響を与えているとした。

(注)満点は100ポイント

(深津佑野)

(インド)

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