深セン市と広州市、住宅購入制限の緩和措置など受け、販売数が上昇
(中国)
広州発
2024年10月21日
中国の深セン市住宅建設局は10月8日、同市の10月1日から7日までの新規住宅購入の事前契約件数が前年同期比約7.6倍の1,841件と発表した。中古住宅の販売件数も1日平均で前年比約4.4倍となった。同市は10月1日から住宅購入戸数や購入資格の制限を緩和している(2024年10月15日記事参照)。
深セン市住宅建設局の発表では、国慶節期間中(10月1~7日)の同市の不動産市場好転は住宅購入制限の緩和政策実施によるものだとする専門家の見解を紹介した。また、同じ専門家は、政策実施と実際の販売数増加に伴い、住宅購入者の購買意欲が徐々に回復しているとの見方も示した。
一方、広州市住房城郷建設局の統計によると、9月30日から10月12日までの同市の新規住宅購入の事前契約件数は前年同期比約2.4倍の6,687件となった。中古住宅の販売件数は前年同期比23.0%増の3,771件だった。国慶節期間後は契約件数の増加はやや落ち着きをみせているが、依然として高い水準を維持している。同市では9月30日に購入制限区域を解除し、購入戸数の制限も撤廃している。
10月13日付の「南方網」の報道によると、現在の広州市不動産市場の特徴は次の3点だ。1点目は、購入制限が解除された同市中心部での契約件数の堅調な増加だ。同市全体で増加傾向にあるが、特に中心部の増加が顕著という。2点目は、成約価格が全体的に落ち着きを見せつつあることだ。3点目は、購入目的の変化だ。投資目的ではなく、自宅として購入し、住環境を改善することを主な購入目的とするため、住宅の購入行動がより理性的になり、市場全体の客層が安定してきている(「南方網」10月13日付)。
(梁梓園)
(中国)
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