8月の消費者物価上昇率は前年同月比0.35%、洪水の影響で生鮮食品が値上がり、燃料価格は下落

(タイ)

バンコク発

2024年09月12日

タイ商務省が9月5日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)上昇率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は前年同月比で0.35%となり、前月(0.83%)から伸びが鈍化した(添付資料表参照)。前月比も0.07%となり、前月(0.19%)から縮小した。

同省によると、8月は豪雨による洪水被害の影響で、生鮮野菜や生鮮果物の価格が上昇した一方、燃料価格などが値下がりした。その他、衣料品・靴などの食品以外の分野で値下がりが散見された。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は、エネルギー価格下落の影響が除かれるため、0.62%となり、前月(0.52%)から加速した。

9月のCPI上昇率は加速すると見込まれている。その要因として、洪水の影響による生鮮野菜や生鮮果物の短期的な値上がりや、地政学的な対立が原油などの価格や貨物輸送費を上昇させる可能性などを同省は挙げた。

なお、1~8月のCPI上昇率は0.15%で、通年では0.0~1.0%と予測していることから、タイ中央銀行(BOT)が設定するターゲットレンジ(1.0~3.0%)を引き続き下回る見込みだ。

(藤田豊)

(タイ)

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