英カンター、「2024年最も価値ある中国ブランドトップ100」を発表、テンセントが4年連続首位

(中国)

上海発

2024年09月20日

英国調査会社カンター(注1)は9月10日、中国企業ブランドの資産価値を定量的に評価するレポート「2024年カンターブランド:最も価値ある中国ブランドトップ100」(注2)を発表した(添付資料表参照)。レポートによると、2024年の上位100にランクインしたブランドの資産価値の合計額は9,685億ドルで、前年比4%減だった。

テンセントは4年連続で首位となり、ブランド価値は1,290億3,900万ドルと評価された。「メディア・エンターテインメント」「ビジネステクノロジー・サービスプラットフォーム」の2つの主要分野における同社の取り組みは、大きな成功事例として挙げられた。

中国の高級白酒ブランドの茅台酒(マオタイ酒)は872億9,800万ドルのブランド価値で2位となり、EC(電子商取引)プラットフォーマーのアリババ(3位、684億8,200万ドル)、抖音(ドウイン、4位、568億8,200万ドル)がそれに続いた。ファーウェイ(5位、410億2,900万ドル)は、イノベーション主導による経済成長モデルの転換が功を奏し、トップ5に返り咲いた。ブランド価値は前年比52%増で、最も成長率の高い企業となった。

トップ100のうち、36のブランドは前年比で価値が上昇しており、そのうち11のブランドは20%を超える高い増加率となった。急成長している企業のトップ3は、ファーウェイほか、ネットイース(綱易、25位、51%増)、ピンドゥオドゥオ(拼多多、10位、47%増)となった。

今回のトップ100ブランドのうち、上位10位をみると、21の業界のうち、メディア・エンターテインメント、金融サービス、酒類、小売りの4つが合計額の約3分の2を占めた。

同レポートは、グローバル市場への進出拡大が中国ブランドにとって重要な成長戦略であると指摘した。また、カンター中国総代表の張霖総経理は「中国企業は世界の産業チェーンのミドルレンジとハイエンド市場で確固たる地位を築こうとしている。今後、多くの中国ブランドが世界的な知名度を上げていくであろう」とコメントした。

(注1)カンター・グループとは、本社を英国ロンドンに置くマーケティングデータ・アナリティクスの会社。約90カ国・地域の市場を対象に調査を行う。

(注2)同調査は、カンターが年に1回、ブランドの資産価値を測定することを目的に行っている。51カ国・地域の1万9,250以上のブランドを対象に実施。約410万人の消費者インタビューをデータベースとしている。

(趙姝萍)

(中国)

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