米南東部3州のバッテリー関連8事業、エネルギー省から11億ドル超の助成金獲得へ
(米国)
アトランタ発
2024年09月27日
米国エネルギー省(DOE)は9月20日、バッテリー材料の加工、同製造とリサイクルに対する助成金の受給者を発表した。米南東部ではアラバマ、ノースカロライナ、サウスカロライナ各州での8プロジェクトに対し、11億4,000万ドル以上が投じられることとなった(添付資料表参照)。
同助成金は、2021年11月に成立したインフラ投資雇用法(IIJA)に基づいて付与するもの。合計60億ドルを割り当てており、2022年10月に発表した第1弾では、14のプロジェクトに18億2,000万ドル、今回の第2弾では、25のプロジェクトに30億ドルが投じられる(2024年9月24日記事参照)。
米南東部で選出された8プロジェクトの内訳は、バッテリーリサイクル3件(合計5億ドル)、バッテリーコンポーネント製造3件(合計約3億4,200万ドル)、バッテリー製造2件(合計約2億9,900万ドル)となっている。丸紅が出資する米サーバソリューションズがサウスカロライナ州に建設中のバッテリーリサイクル施設(2023年3月27日記事参照)に2億ドルが付与されるほか、カーボンブラック製造大手のインドのビルラ・カーボンによる次世代合成黒鉛連続生産(注1)施設建設に1億5,000万ドルが投じられる。また、産業用電池大手の米エナーシスのサウスカロライナ州での高性能角形・円筒形セル製造施設の建設に約1億9,900万ドルが付与される。
さらに、バッテリー材料メーカー、米アルベマールのノースカロライナ州のリチウム金属負極(LMA)製造に既存施設を改修する(注2)ほか、先端材料研究の米フォージ・ナノのノースカロライナ州のリチウムイオンバッテリー(LiB)製造工場(2023年11月20日記事参照)も助成金の対象となった。
米国ではバッテリー生産拠点の設立が相次ぎ、中西部から南東部にかけて「バッテリーベルト」が構築され始めている(2023年9月27日付地域・分析レポート参照)。直近でも米ナトロン・エナジーによる14億ドルを投じたノースカロライナ州でのバッテリー製造施設建設が発表されている(2024年8月19日記事参照)。
(注1)継続して材料が供給され生産物を取り出す方式
(注2)アルベマールは同助成金の第1弾でも選定されており、ノースカロライナ州キングスマウンテンのリチウム材加工工場建設に1億5,000万ドルが付与された。
(横山華子)
(米国)
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