8月のインフレ率は3.65%、2カ月連続で中銀目標値を下回る

(インド)

ムンバイ発

2024年09月19日

インド統計・計画実行省(MoSPI)が9月12日に発表した2024年8月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注1)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は193.0ポイント(速報値)で、前年同月比3.65%上昇した。同3.54%(その後、3.60%に修正)だった7月から上昇したものの、インド準備銀行(RBI、中央銀行)のインフレ率の目標値である4%を2カ月連続で下回った。RBIは中期目標値を4%±2%と設定しており、2023年9月以降はこの許容範囲内で推移している(添付資料図参照)。

比較基準となる2023年8月のCPI上昇率が6.83%と高水準だったことから、ベース効果によりインフレの伸びは抑制されたが、消費者物価の半分近い比重を占める食品のインフレ率(注2)は前年同月比5.66%と、前月の5.42%から上昇した。特に野菜の上昇率は10.71%と、前月の6.83%から上昇しており高止まりが続いている。全品目のインフレ率は都市部で3.14%、農村部4.16%だった。

現地報道によると、「9月のCPI上昇率は、ベース効果が薄れることにより4.8%程度まで急上昇することが予想される。また、平年を上回る降雨量とラニーニャ現象の影響から、短期的には食品インフレ率がさらに上昇する可能性がある」との専門家の声が聞かれている(「ザ・ヒンドゥー」紙9月12日)。

(注1)全国ベースのCPIは基準年の2012年を100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。

(注2)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)のインフレ率を記載。

(篠田正大)

(インド)

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