香港で「香港ASEANサミット」が開催

(香港、ASEAN)

香港発

2024年09月20日

「香港ASEANサミット」が9月13日、地元ホテルのコンラッド香港を会場に開催された。主催者は香港の主要英字新聞社のサウスチャイナ・モーニングポストで、同サミットは2022年、2023年に続き2024年で3回目となる。出席者は、香港特別行政区(以下、香港)政府の李家超(ジョン・リー)行政長官や同新聞社最高経営責任者(CEO)キャサリン・ソー氏に加え、ASEANから大臣級の来賓として、マレーシアのテンク・ザフルル・アジズ投資貿易産業相、カンボジアのプラク・ファンナラ長官(観光担当)、ラオスのプタヌフェット・サイソンバス財務副大臣が出席した。

冒頭の開幕あいさつにおいて、李行政長官は、香港にとってASEANが10年以上にわたり第2位の貿易相手だったことや、2023年には、ASEANにとって香港が第4位の対内直接投資相手となったことなどの例を挙げたうえで、「香港、ASEAN双方が強固な貿易投資関係を有しており、2021年に全面発効した香港ASEAN自由貿易協定(FTA)および投資協定(IA)がさらなる貿易投資関係の強化に貢献している」と言及した。

さらに、李行政長官は、2024年7月に着任以来3回目(注1)となるASEAN訪問を行い、訪問先のラオス、カンボジア、ベトナムで55のMOU(覚書)を取り交わし、貿易投資、税関、教育、観光などの分野での連携を強化していると述べた。また、香港経済貿易代表部(注2)を新たにクアラルンプールに設置する方向でマレーシア政府と協議中として、同拠点の早期設置に期待感を表明した。

このほか、同サミットでは、各来賓によるスピーチに加え、ASEANの急速な経済成長に対しての香港との協力、投資機会、グリーンファイナンス分野での専門的知見のASEANでの活用などをテーマとするパネルディスカッションが開催された。

(注1)2022年7月に行政長官となった李氏は、2022年11月にタイでAPEC首脳会議に出席し、2023年7月にシンガポール、インドネシア、マレーシアの3カ国を訪問した。

(注2)ASEANではシンガポール、ジャカルタ、バンコクに設置されており、クアラルンプールは4拠点目となる。

(奥田岳慶)

(香港、ASEAN)

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