アルジェリア、新開発銀行(BRICS銀行)に加盟

(アルジェリア、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)

パリ発

2024年09月06日

アルジェリア財務省は8月31日、8月29~31日に南アフリカ共和国のケープタウンで行われた新開発銀行(NDB、通称:BRICS銀行)の第9回年次理事会で、同銀行へのアルジェリアの加盟が正式に承認されたと発表した(アルジェリア財務省コミュニケ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア、バングラデシュ、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトに続く9番目の加盟となった。

NDBは、先進国主導の国際金融秩序とは一線を画す、新興国独自の開発支援の枠組み構築を目指す加盟国のイニシアチブに基づき、BRICS加盟国(注)やその他の新興国のインフラや持続可能な開発プロジェクトに融資を行う目的で、2015年に設立された。本部は中国の上海市にある。NDBの融資資金は、BRICS加盟国を中心とする関係国からの出資だ。NDBによると、2022年12月時点で96件のプロジェクトが認可されており、融資承認総額は328億ドルに達した。これまで、中国洛陽市の地下鉄建設計画、インドでの再生可能エネルギー発電能力の強化〔655メガワット(MW)〕計画など、16件のプロジェクトが完成した。アルジェリア財務省は、NDBへの加盟が、アフリカ最大の天然ガス輸出国であるアルジェリアの中期的、長期的な経済成長を支援し、強化する新たな展望をもたらすと述べた。

BRICSには、2024年1月から新メンバー国としてエジプト、エチオピア、イラン、UAEが加盟した。一方、アルジェリア政府は、BRICSにも2022年11月に加盟申請を行っていたが(2022年11月18日記事参照)、まだ加盟を果たせていない。アルジェリア政府は、それによる外交政策への影響を否定しつつ、グローバルサウスおよびアジアに重点を置く外交方針に変わりはないと表明し、上海協力機構(SCO)やNDBへの加盟申請手続きを継続する意向を示していた。2023年7月には、未加盟にもかかわらず、NDBに15億ドルの資金を投じる意向を表明した。

(注)ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア、エジプト、イラン、エチオピア、UAE。アルゼンチンと、サウジアラビアも2024年1月から加盟するとの発表があったが(2023年8月25日記事参照)、アルゼンチンは新政権となり加盟を否定し、サウジアラビアも閣僚が正式な加盟については否定している(2024年1月19日記事参照)。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)

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